食べ物マニアーズ!  文・大宮冬洋/イラスト・時川真一
 何かに異常なまでの情熱を燃やし続ける人がいる。時間もお金も費やして、熱中のあまり体調をくずしたり恋人に振られたり。周囲はあきれるばかり。でも、本人はとても幸せそう。マニア――それはちょっとおバカですがすがしい生き方。何事にもマニアックになれない僕は軽い嫉妬さえ感じる。彼らはどうしてそこまで没頭できるのか。じっくり話を聞いてみたい。そして一緒に笑いたい。特定の料理や食材にこだわる人々を「食べ物マニアーズ」と名付け、会いに行きたいと思う。
Profile16【肉食マニア】安全ちゃん

<資本主義の厳しさに疲れ果て、ナチュラルな生き方を模索しようとロハス系雑誌をめくると、異様に高価な自然派化粧品が並び、自然には逆らえても資本主義には逆らえないという現実に直面することに……。プチブル女性たちが農作業にいそしむ姿は、ベルサイユに農村風の別荘を作り田舎風の暮らしを楽しんだマリー・アントワネットの姿に重なって感じられるほど。どちらを向いても消費を煽られる現状はプロレタリア女性にとってあまりにも過酷……「貧困だってオシャレしたい!」と女性たちが蜂起するのも時間の問題だ。
 そんな貧困ガールたちの乙女心を満足させる食材として私が勝手にプッシュしているのが鶏肉。特に、鶏モモ肉はコラーゲンが豊富でアンチエイジング効果たっぷりな上、財布にも優しいので、預金残高を確認するたびに老後の不安がもたらす無意識の早死願望が肉体に働きかけ老化が進行してしまうという貧困ガール特有の加齢因子を抑制することも可能。まさしく、加齢に苦しむ貧困ガールたちの救世主的存在といえる。>
「安全ちゃんオルグ日記」より抜粋)

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