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last updated Feb.1,2002.






監督・脚本:ジャック・リヴェット
出演:
カミーユ(ジャンヌ・バリバール)
ウーゴ(セルジオ・カステリット)
ピエール(ジャック・ボナフェ)
ソニア(マリアンヌ・バスレール)
ド/ドミニク(エレーヌ・ド・フージュロル)
アルチュール(ブリュノ・トデスキーニ)

上映時間:155分
2月9日より日比谷シャンテ・シネほかにて公開

REALISATEUR et SCENARIO: Jacques Rivette
Fiche Artistique:
Camille (Jeanne Balibar)
Ugo (Sergio Castellitto)
Pierre (Jacques Bonnaffe')
Sonia (Marianne Basler)
Do/Dominique (He'le`ne de Fougerolles)
Arthur (Bruno Todeschini)

Dure'e : 155min.


 ゴダールやトリュフォーと並ぶ、フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠、ジャック・リヴェット監督。彼の長編17作目は、ウィットたっぷりの大人のラブ・コメディ。2001年のカンヌ映画祭では、しかめっ面の批評家たちをも笑顔にさせ、集まった観客からは10分間も拍手が鳴りやまなかったとか。
 カミーユは、イタリア・トリノの劇団に所属する主演女優。地元では、いつもきちんとした芝居をする彼女なのに、大事なパリ公演を明日に控え、なぜか芝居に身が入らない。そればかりか、公演初日には一瞬セリフを忘れ、恋人で劇団の座長でもあるウーゴに助けられる始末。ウーゴもカミーユのことが心配でたまらない。
 実はカミーユの混乱には理由が──。彼女は3年前までパリで恋人と共に暮らしていたのだ。彼の名前はピエール。パリに戻ってきたことで、昔の恋人のことが気になり始めたカミーユ。彼女が意を決してピエールを訪ねると、そこには彼の恋人らしいソニアという美しい女性が住んでいた。
 一方、カミーユの恋人ウーゴにも、パリに来た別の目的があった。それは17世紀のヴェネチアの劇作家ゴルドーニが晩年にパリで書いたと伝えられる幻の戯曲を探すこと。そこで図書館に出向き、調べものをしていると、ドミニクという美しい女子大生と出会ってしまう。
 カミーユとウーゴ。ピエールとソニア。ウーゴと出会ったドミニク。そしてその兄アルチュール。6人の男女の「恋ごころ」が、すれ違ったり、ぶつかったり。大人の恋の雰囲気を漂わせながら、笑いと幸せを呼ぶ恋物語が繰り広げられてゆく…。


Parlons en franc,ais! 「生きてる」仏語を映画で学ぼう!
Je te remercie.
(ありがとう)


 初日の舞台で、一瞬台詞を忘れたカミーユ。恋人で座長のウーゴの助け船で何とか切り抜けたものの、幕が下りると、彼女は楽屋に駆け込みます。様子をうかがいに来たウーゴに彼女は《Je te remercie.》(ありがとう)と言います。《De quoi?》(何が?)と問うウーゴ。「〜に感謝する」は《remercier de/pour+目的語》になるからです。カミーユは《Le trou...》(セリフが…)と答えます。名詞《trou》は「穴/空白」の意味ですが、これはセリフが出てこず、ステージに生じた瞬間的な空白を指しています。


元恋人のピエール(左)と会うカミーユ(右)。




ウーゴ(左)とカミーユ(右)は恋人同士。
Il n'y a pas de quoi.
(どういたしまして)


 ウーゴはパリで幻の戯曲を探すために図書館に行きますが、どう検索していいのか勝手がわからず困惑します。その時、ドミニクという若い女子大生が《Je peux vous aider?》(お手伝いしましょうか)と声をかけてくれます。図書館の検索方法を教わったウーゴが《Je vous remercie de m'aider.》(助けてくれてありがとう)と礼を言うと、彼女は《Il n'y a pas de quoi.》(どういたしまして)と去っていきます。
 気軽な《Merci.》だけの礼ならば、《De rien.》というこたえ方もあります。また、何かを勧めるときの「どうぞ」にあたる《Je vous en prie.》は「どういたしまして」としても使えます。


Qu'est-ce que j'ai mal au cra^ne!
(頭が割れそうに痛い!)

 カミーユはピエールの現在の恋人ソニアを訪ねて、彼女が勤めるバレエ教室にやって来ます。すると、ソニアはソファでぐっすり眠っていました。カミーユが起こそうとすると、寝ぼけた彼女は《Pas les yeux.》(目はやめて!)と激しく抵抗します。ソニアは悪夢を見ていたのでした。
 起き上がった彼女は《Qu'est-ce que j'ai mal au cra^ne!》(直訳:なんて頭が痛いの)と苦しそう。《Qu'est-ce que》が「なんて」の役割を果たし、感嘆の表現になります。省略して《ce que》だけを使う場合もあります。
 なぜ、ソニアが悪夢を見たのか? なぜ、「目はやめて!」と言ったのか? ソニアの隠された過去も気になるところです。


バレエ教室にソニア(左)を訪ねたカミーユ(右)。


■ちょっと上級!



パリ公演にやってきた舞台女優のカミーユ。
C'est peut-e^tre du vent.
(あてにならないかもしれない)


 図書館での検索方法を教えてくれた女子大生ドミニクと仲良くなったウーゴ。彼女に自分が探している17世紀の劇作家が晩年にパリで執筆したと言われる戯曲について熱心に説明します。しかし、出版も上演もされたことのない幻の作品なので《Tout c,a, c'est peut-e^tre du vent.》(これも全部、あてにならないかもしれない)と、探し出すことに関してあきらめ気味です。
《vent》(風)を使った言い回しは《dans le vent》(流行の)をはじめ、たくさんあります。「風を起こす」の意の《faire du vent》には「空威張りする」という意味も。似た表現なので間違えないように。
 さて、探していた戯曲は見つかるのでしょうか…?