でも、ソウルでの勉強は、そういういい加減さまで含めて、たいへんだったけどおもしろいものでした。習っている人もおばさんが多くて、よく「大学を出てるのに料理人になりたいの? 栄養士じゃなくて?」と聞かれて困りましたが、料理以外のふだんの生活のことを教えてもらうことができて、うれしかったです。
習ってみたら、宮廷料理というのは決して特別なものじゃなく、私の知っていることの延長線上にあるものでした。食文化は国が豊かじゃないと発展しないものですが、韓国の宮廷料理ももう少したったらすそ野が広がり、ビッグバン的に発展して、“ヌーベル韓国料理”みたいなものが出てくると思います。それを同時代で見ていけるというのはわくわくすることですね。
それから、私には、ひとつのものを知るとその国のいろんなものが見えてくるように思えます。フランス料理から、フランス人はああこんなふうに考えているのかとわかるとか、ですね。ですから、韓国料理からもいろんなことが見えてくるのではないでしょうか。これから私は料理に関わることを全般的に、できることなら何でもやっていきたいと考えていますが、韓国料理を紹介する時は、料理とともに、その料理に関わる文化や歴史も紹介していきたいですね。
韓国は「近くて遠い国」だと言われています。実際、韓国の若い子たちと話してみると、日本に興味はあるのに日本のことを知りません。一方で日本の若い子たちは、そもそも韓国という国について興味がなかったりする。まず興味を持ってもらうことから始めないといけないと思っています。
今度の本は、ソウルにいるときから、自分で韓国料理を紹介できたらいいな、韓国の街や文化と絡めて紹介できたら、きっとおもしろいものになるなと思っていたのが、機会をいただけて思いがけず実現したものです。帰ってきてから、あんなこともあったね、こんなこともあったねと思い出しながら書いたので、楽しみながら書くことができました。
料理は決して難しいものじゃないですし、韓国料理はおいしいというところから入っていってもらえる。私の本が、韓国に興味を持つきっかけになってくれれば、とてもうれしいです。 |
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韓国料理はおいしい。
おいしいというところから、
韓国という「近くて遠い国」の
文化や歴史を紹介していきたい。
撮影/HARUKI
取材協力/有隣堂 ランドマークプラザ店
日本料理 おしどり
(パン パシフィック ホテル 横浜1階)
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