last updated May.1,2001.


からだや心の悩みは人にはなかなか相談できないもの…。
しかも専門的な知識がないと、ついつい必要以上に不安になってしまいがちです。
ここでは、現在話題になっている病気や症状についてわかりやすく解説します。
最近、自分のからだのことが気になっている方、
病気のことをもっとしっかり知りたいという方は必読!!

回答/瀬在 由美子(皮膚科医)


どうして日焼けするの?

 地上に届く太陽光線には、紫外線、可視光線、赤外線などがあり、紫外線はその波長により、A波、B波、C波に分けられます。320〜400nm(ナノメーター)の長波長紫外線をA波、280〜320nmの中波長をB波、280nm以下の短波長をC波といいます。一般に紫外線は波長が短いほど、皮膚への被害が強いのですが、300nm以下の有害な短波長紫外線はオゾン層で吸収されるため、私たちの元に届くのはB波の一部とA波で、日焼けはおもにB波の影響で起こります。
 地上に届く紫外線の量が最も多くなるのは5月から8月。この時期は最低値を示す12月に比べて、2〜3倍の紫外線量があります。また、紫外線の量は日差しの強さで判断しがちですが、実はくもっている日でも多量の紫外線が届きます。ですから思いのほか日焼けしてしまうことが少なくありません。
 紫外線が皮膚に及ぼす影響としては、一時的な症状である日焼けをまず思い浮かべますが、長期的な影響としてシミ、ソバカス、シワなどの皮膚の老化や、がん化の原因となっていることを忘れてはいけません。ただし、紫外線にはビタミンDを活性化させて骨を作るというプラスの作用もあります。これは私たちのからだにとって欠かせないものですから、紫外線にまったく当たらないと、ビタミンD欠乏症になってしまうこともあります。大事なのは紫外線とのつき合い方なのです。


日焼けの症状はどのように進行するの?

 日焼けの症状の進行は「サンバーン」「サンタン」「皮膚の乾燥や肥厚(ヒコウ・皮膚が厚く硬くなること)」の3段階に分けられます。
 サンバーンは、日焼けしてから1〜2日で皮膚が赤くなる反応のこと。やけどと同じ症状といえます。夏の海水浴などでは、わずか20分ほど直射日光を浴びるだけでサンバーンは起こります。サンタンは、サンバーンのあと、3〜7日たって起こる炎症後の色素沈着のことをさします。そして2週間後から皮膚が乾燥し、厚く硬く感じられてきます。これは皮膚の角質層が厚くなることで、紫外線の吸収を低める作用があります。
 日焼けの程度は人によってさまざまですから、自分の皮膚のタイプを知ることが必要です。日本人の皮膚は次の3タイプに分けることができます。
 (1)ひどく赤くなるが、あまり黒くならない人、(2)赤くなって黒くなる人、(3)あまり赤くならず、すぐに黒くなる人。サンタンは紫外線から皮膚を保護するために起こる防御機能の表れですから、(1)のタイプは紫外線に対して抵抗力が弱く、(2)は標準的なタイプ、(3)は抵抗力が強いタイプといえます。ですから(1)のタイプの方はとくに紫外線に注意する必要があります。


日焼け予防のポイントは?

1 日焼け予防は春から始める
 1年のうちで最も紫外線量が多いのは5〜8月ですから、夏だけでなく、春から日焼け対策を始めるのが理想的。外出時は、帽子、日傘、長袖のジャケットなどを使用すると効果大。ショートヘアの方はうなじのケアもお忘れなく。

2 日焼け止めクリームとファンデーションを併用する

 紫外線から皮膚を守る化粧品には、ふたつのタイプがあります。ひとつは日焼け止めクリームやローションによる紫外線吸収剤。もうひとつはファンデーションなどの紫外線散乱剤。紫外線吸収剤にはB波を吸収するものと、A波とB波の両方を吸収するものがあり、後者にはA+Bなどと表示してあります。ただし、紫外線吸収剤にはかぶれることや、かえって日焼けを増すこともあるため、使う前には必ず手の甲などに何日か塗ってみて、トラブルが起きないことを確認してからつけましょう。より完全な紫外線対策を望むなら、日焼け止めクリームとファンデーションを併用して使うこと。また、こまめにつけ直すことも大切です。

3 冬の南国旅行は要注意!!
 冬の皮膚は1年のうちで紫外線に対して最も抵抗力がありません。私たちの皮膚は春から夏にかけて徐々に紫外線を受けることによって抵抗力をつけていきます。ですから、抵抗力の弱い冬に一気に強い紫外線を浴びると、思った以上の日焼けになることがあります。冬に南の島で過ごす人は日焼け対策を万全にしていきましょう。

4 日焼けを予防する食べ物
 強力な効果は望めませんが、ベータカロチンやビタミンC、ビタミンEなどが含まれた食品を十分にとると、日焼け予防や日焼け後の回復を促進すると言われています。


 
  お肌のQ&A

Q アカスリや天然塩を使った美容法は肌に悪いと聞いたのですが?

A 最近ブームになっているアカスリや天然塩を使った美容法は肌がスベスベになると評判のようですが、あまりおすすめできません。アカスリや塩もみはやりすぎると、日焼けを防いでいる角質層を取り除きすぎてしまいます。皮膚の表面についているアカ(角質層)は、外からの刺激を防御する、いわば屋根瓦のようなもの。取り過ぎてしまうと、紫外線に対する皮膚の感受性も増し、日焼けやその後のシミ、シワの原因になることがあります。


Q 日焼けにはレモンパックがいいというのは本当?

A シミ、ソバカスを取るために、また肌をひきしめるために冷やしたレモンを輪切りにして顔にパックする人がいますが、このレモンパックは実は皮膚に障害を起こしやすいのです。レモンの中には、紫外線に当たると肌を刺激して、色素沈着を引き起こすソラレンという成分が含まれています。ですから、レモンパックをしたあと十分に洗い流さなかったり、ビタミンCが日焼けの回復にいいからとレモンをパクパク食べると、このソラレンが紫外線に反応して日焼けが悪化したのと同じような状態になってしまいます。これは光線過敏症の一例です。
 光線過敏症には、レモン以外にも柑橘類、セロリ、あわびの肝、健康食品として知られているクロレラ製品などが原因で起こる場合と、ある種の抗生物質、糖尿病や高血圧の治療薬、鎮痛解熱剤などの薬剤を飲んでいた場合などに起こる場合とがあります。今まで何もなかったのに、春から夏にかけて急に日焼けに似た症状を起こしてしまい、思い当たる原因もないという場合は、専門医を訪れることをおすすめします。

 

メイクアップは控えて
 
熱いお風呂も避ける
 
日焼けの応急処置

1 まず患部を清潔にして冷やす
 冷水のシャワーを浴びたり、冷たいガーゼに氷の塊を包んだものを当てるなど、やけどと同じ処置をしましょう。日焼けしたあとのほてりを抑えるため、冷やしたきゅうりやアロエでパックする人がいますが、皮膚はとても敏感になっていますので、こうした処置はくれぐれも避けて。

2 油分を十分に補う
 いつも使っているベビーオイルや馬油、ワセリンがあれば、患部を摩擦しないように気をつけながら軽くのばすようにつけてください。顔の場合、しばらくは基礎化粧品やメイクアップは控えるように。熱いお風呂も避けましょう。

3 水疱は針でつついたり、つぶしたりしない
 二次感染や跡が残ることがあるので、なるべく早く専門医で診てもらうようにするとよいでしょう。
 

イラスト/木村桂子


瀬在 由美子(せざい・ゆみこ)

1957年、静岡県生まれ。1982年、日本大学医学部卒業。日本大学皮膚科学教室、JR東京総合病院皮膚科医長を経て1989年12月より東京都福生にてセザイ皮フ科クリニックを開院、現在に至る。医学博士、皮膚科専門医。

 


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