撮影・徐 源三


チ・ジニ
1973年6月24日生まれ。
広告カメラマンから俳優に転身し、'00年、ドラマ「ジュリエットの男」(SBS)でデビュー。'02年には日韓合作ドラマ「ソナギ〜雨上がりの殺意〜」に出演し、日本でも広く知られるようになる。その後、「ラブレター」('03年・MBC)をはじめとした人気ドラマで活躍。「春の日」('05年・SBS)では運命に翻弄される医師役を演じ好評を博す。また、『H』('02年)や『もしあなたなら〜6つの視線〜』('05年)などの映画にも出演。 |
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取材が行われたホテルの一室に、黒のスーツというシックな出で立ちで現れたチ・ジニ。「宮廷女官 チャングムの誓い」で目に馴染んだ韓服(ハンボク)姿とのギャップが、新鮮さを感じさせる。
「韓服、カッコいいですよね。撮影に入る前は動きにくいんじゃないかとか、ちょっと心配したんですが、思ったよりずっと着やすくて。真冬の寒い日の撮影の時は、中にたくさん着込んでも大丈夫でしたしね(笑)。自分でも1着欲しいなと思ったぐらいです」
穏やかな話しぶりは、ドラマで演じたミン・ジョンホを思わせる。しかし、聞けばこの日は朝までドラマの撮影をしていたという。疲れを心配するスタッフに笑顔で応え、まずは自身の役柄から話しはじめた。
「最近のドラマの登場人物を見ていると、どうも強引で積極的なキャラクターが多いような気がするんです。社会を見ても、誰もが欲しいものを手に入れ、勝者になることを願う、そんな風潮になっているなと。恋愛のスタイルもそう。でも、ミン・ジョンホは、自分から前に出ることはなく、静かに相手を見守るタイプ。相手が進む方向を信じて、後ろから支えることで、自分の想いを表現しているんです。最近の若い世代の愛し方とは、ちょっと違いますよね。だからこそ、新鮮でカッコよく映ったのだと思います」
しかし、チャングムが窮地に立たされると何を差し置いても助け出す。そんな彼が、素敵に映らないわけがない。
「第8話で、ミン・ジョンホとチャングムが書庫で出会いますよね。女官見習いの自分が書物を読むのはおこがましいと言うチャングムに、ミン・ジョンホが、『人が身分を問うのであって、書物は身分を問いません』と言うシーンがあるんですが、これはある意味、彼を表現しているセリフだと思いました。身分制度の厳しかった時代に、人は差別されることなく、誰でも書物に触れるべきだと言う。そこにミン・ジョンホの正義感とやさしさが表れているのではないでしょうか」
やがてチャングムとミン・ジョンホの間には愛が芽生えはじめる。お互いの想いを確認し合った時、中宗(チュンジョン)がチャングムを自分の主治医に任命。それがふたりの別れを意味すると知りながら、逡巡するチャングムの背中を押したのは、やはりミン・ジョンホだった。
「チャングムに自分の道を歩ませたいという気持ちと同時に、自分は王に忠誠を誓う臣下なのだという思いが強かったんだと思います。どんな痛みも顧みず自らを王に捧げる、それもミン・ジョンホの大きな魅力ですね」


2000年のデビュー以来、数多くのドラマで活躍を続けてきたチ・ジニだが、時代劇は今回が初めてのこと。いつかは出演したいと思いながら、これまで実現しなかったそのわけを、「実は時代劇、あまり好きじゃなかったんですよ…」と、少々申しわけなさそうに告白。その理由とは?
「まず時代劇特有のトーンというか、発声法が苦手で…。妙に力まなければいけないような気がしていたんですね。でも、イ・ビョンフン監督に初めてお会いした時、『そのままの君を見せればいいから』とおっしゃっていただきまして。それに、監督の作品だけは見ていたんです。セリフも現代的だし、話もわかりやすい。なにより、描かれているテーマが現代にも十分に通じるものだと思ったんです」
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