NHK出版新書(NS新書)

「なぜ?」から始める
現代アート
長谷川祐子
よくわからないけど、なぜか惹かれる、面白い。その「なぜか」を探求すれば、アートはもっと身近になる!作家と観客をつなぎ、現代アートと生のかかわりを問い続ける、当代随一のキュレーターが、いま最も注目すべきアーティストの作品と鑑賞のポイントを紹介。難解だと思われがちな現代アートが、かけがえのない出会いに変わるホットな美術ガイド。

目次

第一章
日本画の遺伝子
―屏風絵、村上隆、奈良美智、落合多武、アニメーション
第二章
出会う場所でアートは変わる
―草間彌生、オラファー・エリアソン、レアンドロ・エルリッヒ、マイケル・リン
第三章
アートが科学を超えるとき
―ジェームズ・タレル、池田亮司
第四章
「見る」ということ
―ソフィ・カル、河原温、アンリ・サラ
第五章
身体性を呼び覚ます
―エリオ・オイチシカ、リジア・クラーク、エルネスト・ネト、サラ・ジー
第六章
アートのポリティクス
―マシュー・バーニー、フランシス・アリス、ロバート・スミッソン、蔡國強
第七章
越境するアート
―SANAA、石上純也、トビアス・レーベルガー、リクリット・ティラバーニャ、シムリン・ギル、wah、フセイン・チャラヤン

編集担当者より

 この本の書名が、なぜ、「なぜ?」から始まっているのか。
 私たちの身の周りから答えが明確に出てくるものが激減するにつれ、「なぜ?」と問いかける豊かな時間も、あまりに少なくなってしまっているように思います。でも、近ごろよく目にする<現代アート>といわれるものは、素人ゆえの乱暴ないい方をすれば、「なんだこれは?」と、意表を突かれるもの、問いを発せずにはいられないものばかりです。
 意味分かんないけど、なぜだか面白くて、目が離せない。もっとアートのことが知りたい。でも、現代美術について語られてきた言葉は難解で、気取っていて、実際に作品と出会ったときの、びくっとするようなまっすぐな感覚とどうも結びつきにくい。かといって、美術の教科書を延長したような、変遷をおさえて紹介していくような入門書は、役には立つけれどどうもときめかない。もっと「見る人目線」で、アートの見方をガイドしてくれる本はないものか。
 ――と感じている人は、自分以外にもきっといらっしゃるだろうと思い、世界的に活躍するキュレーターの長谷川裕子さんに、本書を執筆していただきました。佐々木俊尚さんがキュレーションという言葉を現代的な文脈で再定義し話題になりましたが、つい最近までキュレーターという職業は、たんに学芸員のハイカラ読み、くらいに思われていた節があります。しかし、本書をお読みになれば、長谷川さんのような傑出したキュレーターは、つねに私たちが新しい価値や視点を見つける手助けをしてくれる、重要な存在であることがわかります。 
 本書に登場するアーティストのほとんどは、彼女が実際にともに仕事をしてきた人たちです。作品紹介のうちに、著者とアーティストたちとの個人的な絆がかいま見えるのも本書のお楽しみの一つ。
 普段は忙しくて「なぜ?」を棚上げにしている方も、この秋はぜひ、本書をコートのポケットに入れて、あなただけの「答え」を見つけにお出かけください。
 (NHK出版 福田直子)

著者プロフィール

長谷川祐子(はせがわ・ゆうこ)

著者写真

東京都現代美術館(MOT)チーフ・キュレーター、多摩美術大学美術学部芸術学科特任教授。1979年京都大学法学部卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。芸大在学中に参加したヨーゼフ・ボイスの講演企画を通して現代アートのダイナミズム、媒介力を体感し、作家と人びとをつなぐ途を志す。水戸芸術館現代美術ギャラリー、ニューヨーク・ホイットニー美術館、世田谷美術館での活動を経て、2004年に開館した金沢21世紀美術館では、学芸課長、芸術監督をつとめた。2006年より現職。2001年イスタンブール・ビエンナーレを皮切りに、数々の国際ビエンナーレや、国内の先鋭的な美術展の企画・実施、若手作家の発掘、美術評論など幅広く活動。著書に『女の子のための現代アート入門─MOTコレクションを中心に』(淡交社)。

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