きょうの料理テキスト

保存版 身近に薬膳 毎月1点、旬の食材を取り上げ、薬膳の考え方からみたその食材の体への働きをやさしく紹介します。

(12) ゆり根
乾燥させたものは「百合」という漢方の生薬にもなっている「ゆり根」。せきを止めたり、精神を安定させたりするのに効果があります。ふだんからゆり根を料理に取り入れてみましょう。  

りはユリ科の多年草の総称です。美しい花は観賞用で、情緒低下や心の悩みで落ち込んでいるときに、ゆっくりと眺めるのがストレス解消の心理療法としてすすめられます。鱗茎は俗にゆり根と呼び、食用になっています。
 『本草綱目』によると、ゆり根の性は微寒(五性の一つ)、味は苦(五味の一つ)。気管や肺を潤し、せき止め、精神安定、利尿を促すなどの働きがあるといいます。高熱後やストレス性の悩みで、心が落ち着かず、ほてり、不眠、手足のむくみ、慢性気管支炎などの症状が見られるときに、食事療法の素材として用いられます。
 後漢の名医、張仲景が著した医書『金匱要略』に「百合病(ゆり根病)」という病気があります。症状は、(1)食欲はあるが食べられない、(2)眠りたくても寝つけない、(3)外出をしたいが行動できず、黙りがちである、(4)薬を飲むとすぐ吐き出す、(5)口の中が苦い、(6)尿が赤い、などで、神経症に似ており、治療法として、ゆり根を使って治す経験法が紹介されています。


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●薬膳豆知識12
【食物の四性】

 以前、テレビ番組の企画で、温の食材と涼の食材を比較したことがあります。冷たい生のたまねぎを食べた組は、食べたあとに体温が上がり、アツアツの焼きなすを食べた組の体温は下がりました。要するに、料理の方法には関係なく、食材の本性、「温」「熱」「涼」「寒」が体温を左右するのです。人の体は、季節や生活方式の変化やストレスなどが原因で陰陽の平衡が乱れることがあるので、健康のために、台所に普通にある食材で、崩れた体の陰陽バランスを整えましょう。

【温の食材:食べると体が温まり、元気が出る】
鶏肉、牛肉、えび、にんにく、にら、ねぎ、みそ、酢、こしょう、とうがらし、ぶどう、みかん、かぼちゃ、ほうれんそうなど

【涼の食材:食べると体の熱が下がり、精神が安定する
鴨肉、あわび、昆布、いか、帆立て、なす、梨、すいか、とうがん、にがうり、セロリ、トマト、きゅうり、豆腐など 

監修 しゃ びんき(しゃ・びんき)
薬膳アドバイザー
薬膳レストラン総支配人
撮影 安井 進

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