2012年ノーベル文学賞作家 莫言の『白い犬とブランコ』を緊急復刊!

2012/10/19

2012年10月11日、「幻覚的なリアリズムによって民話、歴史、現代を融合させた」として、莫言氏が、中国初のノーベル文学賞を受賞しました。

白い犬とブランコ
『白い犬とブランコ』(NHK出版)

『白い犬とブランコ』緊急復刊! 〜飢餓”と“孤独”の経験を通して、1960年〜70年代の中国農村の営みを鮮やかに描く。〜

【収載作品】
竜巻/涸れた河/洪水/猟銃/白い犬とブランコ/蠅と歯/戦争の記憶断片/奇遇/愛情/夜の漁/奇人と女郎/秘剣/豚肉売りの娘/初恋
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1984年の冬のある寒い夜、わたしは明かりの下で川端康成の名作『雪国』を読んでいた。

「黒く逞しい秋田犬がそこの踏石に乗って、長いこと湯を舐めていた」という一文を読んだとき、私の脳裏に電光石火のごとくにある着想が浮かんだ。

すぐさまペンを取り上げたわたしは、原稿用紙に次の文句を書いた。

「高密県(ガオミー)東北(ドンペイ)郷原産のおとなしい白い犬は、何代かつづいたが、純血種はもう見ることが難しい」

この一文は、本書の『白い犬とブランコ』の冒頭に収まっている。

それがわたしの小説に「高密県東北郷」なる文字が現れた始まりで、それからというもの、「高密県東北郷」が、わたし専属の文学領土となった。

―「日本語版『白い犬とブランコ』によせて」より

著者の紹介
莫言(ばくげん、モーイエン)
莫言 氏 写真 作家。1955年、中国山東省高密県の農家に生まれる。 文化大革命開始後、中農出身を理由に小学校を中退させられ、農業を手伝い、また綿油工場で働く。76年に人民解放軍に入隊、81年から創作をはじめ、北京の解放軍総参謀部政治部文化部所属となる。85年、『透明な赤蕪』で文壇にデビュー、翌86年、『赤い高粱一族』で不動の地位を確立、この作品は映画化もされた。97年、解放軍を離れ、現在は『検察日報』テレビ・映画部に所属している。フォークナー、ガルシア・マルケスなどの影響を受け、中国の大地に根ざした魔術的リアリズムの新境地を開いている。代表作に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』がある。2012年ノーベル文学賞受賞。
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