よい道具には、理由があります。
料理研究家が愛してやまない台所道具の
逸品と、
その「わけ」を、ご紹介します。

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Vol.1

ヤミーさん
「ラクラクせん切り器&鬼おろし器」

「きょうの料理」10月号掲載分

世界各国の料理で注目を集める料理研究家のヤミーさん。国内外の便利な道具にも目を光らせているヤミーさんが愛用する道具の一つは、日本製のせん切り器。「せん切りのにんじんと卵を炒めた沖縄料理『にんじんシリシリ』用の道具として売られていたものなんです。沖縄に移住した友人に教えてもらって」。以来10年以上、愛用しているそうです。

野菜を刃に直角に当てて、軽くすべらせるだけで、おもしろいほどせん切りが進みます。「最近はせん切りは全部これです。ごぼうは包丁でささがきにするよりもフワッとした食感になるし、正月料理のなますもあっという間。全部終わると、ほかに何かせん切りにするものはないかな~って探しちゃいます(笑)」。

もう一つヤミーさんが愛用しているのが、竹製の鬼おろし器。「金属製のおろし金よりも、水分が出にくいんですよ」。水っぽくならず、大根の歯ごたえが程よく残るので、みぞれ煮やあえ物など、大根おろしをたっぷり入れる料理に使うと、その食感が生きてくるのだそう。栄養分を損ないにくいといううれしい効果も。

野菜の下ごしらえを楽に、そしておいしくしてくれる便利道具。きっと料理の強い味方になってくれるはずです。

やみー◎料理研究家。輸入食材店勤務の経験を生かし、世界中の料理を簡単にアレンジして紹介。つくりやすくてアイデア抜群のレシピが人気を集め、各種メディアや企業から引っ張りだこ。

撮影・吉田篤史

大根とにんじんのチヂミ

たっぷりの大根が生地のベース。
味はさっぱり、食感はモチモチ。
にんじんのやさしい甘みが味わえる
チヂミです。

材料(直径20cm×2枚分)

生地

大根…1/4本(250g)
にんじん…(大)1本(200g)
卵…1コ
小麦粉…大さじ6
かたくり粉…大さじ2
塩…小さじ1/4

たれ

しょうゆ…大さじ1
酢…小さじ2
白ごま…小さじ1
一味とうがらし…小さじ1/4

●サラダ油


◎360kcal (1枚分) 
◎塩分2.3g(1枚分)  ◎30分
*たれ全量を含む。
  1. 大根は皮ごと鬼おろし器で粗くすりおろす。にんじんは皮ごとせん切り器でせん切りにする。たれの材料は混ぜ合わせる。
  2. ボウルにの大根とにんじん、生地の残りの材料を入れてよく混ぜる。
    生地がゆるいときは小麦粉適量を、堅いときは水適量を加え、全体がまとまるくらいの堅さに調節する。
  3. フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、の生地を半量入れて薄くのばす。じっくりと焼き、焼き色がついたら上下を返す。へらで押さえながら焼き、裏面にも焼き色がついたら取り出し、同様にもう1枚焼く。食べやすい大きさに切り分けて皿に盛り、たれを添える。
    後で食べるときは、食べる直前にもう一度焼くとパリッとする。

軽くすべらせるだけで
簡単にせん切りができる

竹製の粗い刃ですりおろすことで、水分が出にくく、辛みも抑えられます。“鬼おろし”という名前の由来は、竹の刃が鬼の歯に見えるからなのだとか。

手をけがしにくい
安心設計

蜂の巣を思わせるような形状の刃。普通のスライサーなどと違って刃が飛び出していないので、手をけがしにくく安心。

水っぽくならず
歯ごたえが残る

2㎜幅、3~4㎝長さくらいの細いせん切りが簡単にできます。包丁では手間のかかる作業もあっという間。

理由ありの道具たち
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