ご飯ものやご飯がすすむおかずを得意とし、夫婦でユニット「ごはん同盟」としても活動している、料理研究家のしらいのりこさん。そんなしらいさんがおすすめするご飯まわりのキッチン道具は、だ円形の土鍋。土鍋の一大生産地、三重県四日市市の萬古焼き(ばんこやき)です。さまざまなキッチンツールや器などのデザインに携わっている知人が手がけたものだそう。
容量が1.2ℓ、1.5ℓ、2ℓの3種類あるなかで、特に重宝しているのは、鍋料理や煮物はもちろん、ご飯を炊くのにもちょうどよい1.5ℓのもの。
「一般的な円形の土鍋ってけっこう場所をとるんですけど、だ円形だと意外と狭い食卓にもスッと置きやすいんです。ほかの料理や取り皿、調味料、飲み物なんかを並べるスペー
スが確保できるんですよ」。なるほど、ありそうでなかった視点です。落ち着いたトーンで高級感のあるブラウンは、洋風の煮込み料理などにもよく合いそうです。
土鍋としては薄手のため、火の通りが早く、軽くて扱いやすいのもポイント。もちろん薄手でも土鍋ならではの蓄熱性・保温性の高さは遜色ありません。直火(じかび)で焼いたり炒めたり、電子レンジにかけたり、オーブンで焼いたりと、これ一つでさまざまな調理法に対応できます。
細部にも使いやすい工夫が施されています。鍋本体のリム(縁)は幅があり、傾斜がついていて、沸騰しても吹きこぼれにくくなっています。ふたはミトンをつけていてもしっかり持てる形状になっていたり、逆さにして皿がわりにも使えたりとアイデア満載!
大きな食材が映えるので、年末年始のごちそうにもうってつけ。「横長の形を生かして、冬ならたい一匹を丸ごと炊き込んだ鯛たいめしもおすすめですよ!」。ふたを開けたら、「わぁーっ」と歓声が上がりそうですね。
撮影・原ヒデトシ
骨付きの鶏肉を丸ごと1本! 香ばしく焼きつけてから
土鍋でじっくり炊くと、ホロホロと柔らかくなります。
長径34㎝、短径23.5㎝のだ円形。骨付き肉や丸ごと一匹の魚など、大きな食材をそのままの形で調理できます。電子レンジにかけたり、オーブンに入れて焼いたりすることもできるので、料理の幅が広がり、一年中活躍します。
容量1.5ℓは米2合を炊き込むのにちょうどよい大きさ。具材を炒める→炊く、の工程をこの鍋一つでこなせるので、うまみを逃さず、さらに洗い物も減らせます。
ふたを逆さにすると持ち手が脚になり、皿としても使えます。野菜の水けをきってサ
ラダとして盛りつけたり、鍋物の具材などをのせたりするのに便利です。