東京・国立で焼き菓子店を営むなかしまさん。コロナ禍の今は通信販売が中心ですが、シンプル&ナチュラルスイーツの人気は衰えを知りません。今日も全国のファンのおいしい3時のために、せっせとお菓子を焼いたり切ったり。
シフォンケーキをスライスするなかしまさんの手には、愛用のナイフが握られています。スッスッと、とても切りやすそうですね。
「これですか? 使いはじめたのは2年ほど前でしょうか。もうほかのナイフは使えないくらい頼りにしているんですよ」
がっしりと堅牢(けんろう)そうなブレッドナイフは、いかにも「仕事できます」といった風情。いちばんの“推しポイント”はどこなのでしょうか?
「とにかく刃のサイズ感に尽きます。薄くて短い刃のものは、食材によってはどうしてもつぶれてしまう。力が入りすぎちゃうんですね。ちょっとこれを切ってみましょうか」
切るにはいかにも手ごわそうなハード系のバゲット。おぉ、スッと刃が入り、そのままなめらかにカットされていきます。刃に厚みと長さがあるので食材に当たる力が分散され、過度に力を込めずともすんなり引ききることができるのですね。
「ブレッドナイフに関しては“大は小を兼ねる”を実感しています。それに堅いものだけでなく、サンドイッチやのり巻きのような柔らかなものも、切れ味がよいから断面が美しいんです」
何とも頼もしいこのナイフ、製造はスイスに拠点を置く世界的ブランド。刃先の加工、刃のフォルムなど、随所に一流のクラフトマンシップが息づいています。なかしまさんをはじめ世界中のプロをうならせてきたナイフ、ぜひ手元に置いておきたい逸品です。
撮影・吉田篤史
ブレッドナイフで美しくカットした断面に、歓声が上がります。
人間工学に基づいてデザインされた、すべりにくく手になじむグリップ。110℃までの耐熱性で衛生面にも優れ、ブランドカラーのレッドがキッチンに明るさを添えます。
刃先には精巧な研磨加工が施され、高い強度を保ちます。また刃渡りは先端に向かって上方への絶妙なカーブを描いており、最初の一刀から刃を引ききるまでストレスなくカットできます。
刃幅3㎝、刃渡り26㎝。この適度な大きさや厚み、長さが、安定感あるカッティングの秘密。ハードブレッドからソフトなサンドイッチまで、美しい断面に仕上がります。