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井出恭平がアメリカに来てもう1年になります。いちばん記憶に残っているのは、周期ゼミの大量発生でした。5月のある週末にワシントンD.C.まで行って、そこの大学の研究室で働いている友人と待ち合わせ、ブルードXを実際に見たのです。昆虫好きの井出としては大喜びでした。
17年たったことを17年ゼミがどうやって知るのかについては、だれもはっきりとわかっていません。昆虫のDNAに何かが組み込まれている、と考えている学者もいます。そのセミを食べた井出は、多くのほかの昆虫と同じように、ナッツやポップコーンのような味がしたと言っています。
数年前に発表されたある画期的な科学的見解によると、世界中で昆虫種の個体数が急速に減少しているそうです。ハチやアリ、甲虫は、哺乳類や鳥類、爬虫類よりも8倍速くいなくなっています。地球の生態系が崩壊しつつあることは、ますます明らかなようです。
気候変動により気温が高くなると、昆虫が媒介する病気が心配になります。マラリアやデング熱などの病気が増加するだろうということでは、ほとんどの科学者の意見が一致しています。ところが、その割合や範囲、条件、影響については、意見が一致していません。
人間は、虫から多くのことを学んできました。チェーンソーはカミキリムシの口に倣って作られたようです。ある日本企業は、カタツムリの殻をもとにした、汚れにくい建築資材を開発しました。また、科学者たちは「痛くない」注射針を開発するために、蚊が針を刺す仕組みを研究しています。
ジャネット・プラスキーは、意識的に努力しないと、起きて、着替えて、地下鉄に乗ってオフィスまで来るのはまだ難しいようです。でもA&Aの柔軟なハイブリッド勤務体制のおかげで、上司と調整しながら、オフィスにいるべき時間を決めることができます。多くの経営者が望んでいたのは、遠隔勤務と柔軟なスケジュールを組み合わせることで、従業員の幸福度が上がることでした。
プラスキーは、ハイブリッド勤務を始めたころは、オフィスに来るのにも、在宅勤務をしている同僚やオフィスにいる同僚とのテレビ会議に参加するのにも苦労して、たびたびいらいらいしていました。とても不快な態度をとってしまったこともあります。2022年に仕事環境がどう変わるのかについては、わからないことがまだまだたくさんあるようです。
パンデミック前の働き方は過去のものになるでしょう。ハイブリッド勤務体制は、どういう形であれ定着しているのです。2021年は大量退職の年でした。かつてない割合の就労者が仕事を辞めたのです。それは、アメリカ人が自分の仕事に不満を持っていて、労働市場では就労者へのパワーシフトが起こっていることを意味しています。
労働人口における年配の就労者の割合は、パンデミックが起きてから、一番低い水準にあります。年配の従業員は、長年にわたって培った経験や専門知識を提供してくれているので心配です。ほかにも心配なのは、昨年の秋、アメリカの大学に在学している人の数が100万人減少し、ここ50年間でいちばん少なかったことです。アメリカにおける留学生の在学者数が2020ー2021年度に15パーセント減少したことも報道されました。
留学生の在学者数も減っている理由としては、パンデミックに加えて、学生ビザの発給の遅れや、移民にとって厳しい政治環境、ほかの国々への留学機会の増加があります。これは、アメリカの学生が多様性に接する機会が減っていることを意味します。パンデミックが引き起こした経済の混乱によって、大学の入学が予想されていた多くの学生たちが就職せざるを得なかったようです。