TOPICS 土屋太鳳×山﨑賢人 連続テレビ小説「まれ」対談

写真 土屋太鳳×山崎賢人
last updated Aug.1,2015.

希と圭太ならではの
古くて新しい夫婦像

ようやく結婚したものの、横浜と能登に別れての遠距離生活が始まった紺谷希と圭太。ふたりの夢と結婚生活はどうなるのか。土屋太鳳さんと山﨑賢人さんに、夫婦の思いを語っていただいた。

写真1 土屋 賢人君とは、以前「黒の女教師」(2012年)というドラマで共演したことがあるんですよね。
山﨑 太鳳ちゃんはそのとき、気の強いクールな女の子の役を演じていたんですけど、あの頃から希のようなまっすぐな感じと明るさを感じていました。希は太鳳ちゃんそのもの。だから、現実に希が生きているっていう実感があるんだと思います。
土屋 いいこと言ってくれてありがとう(笑)。私の賢人君の印象は、優しかったり鋭かったり、目でいろいろな感情を表現できるすてきな俳優さん。だから今回もついつい頼っちゃうんです。「今の動きは大丈夫かな?」とか。
山﨑 希と圭太って、すごく小さなことでぶつかり合うことが多いから、それを演技で表現するのが難しいんだよね。
土屋 希と圭太は普通の恋人同士っていう感じじゃなく、ひと筋縄でいかないから、端的にイメージするのが難しいんです。
山﨑 いわゆる恋愛期間がないよね。デートもしてないし。
土屋 恋愛の部分を飛び越えちゃってる。それでいきなり遠距離結婚になるし、電話でケンカばかりしているし(笑)。
山﨑 パティシエと輪島塗の職人という夢に向かっていて、お互いに修業で大忙しの日々だからね。
土屋 でもケンカしながらも、希は圭太のことをすごく尊敬していると思うんです。いろいろ迷うタイプの希に対して、圭太はまっすぐ「漆!」っていう感じだから、自分にはない強さがあると思っていて。高校生のときには、漆の夢を語られてジンマシンが出たけれど(笑)、そのときからずっと尊敬しているんですよね。
山﨑 「圭太、いいこと言ってる」って、希がふと気づくこともいっぱいある。
土屋 そう。「輪島塗は塗り重ねていくからだまそうと思ったらだませるけど、だからこそだましたらダメねん」っていう話をしてくれたり。あれがなかったら、たぶん希は違う人生を歩んでいました。
山﨑 希が迷っていることと、圭太が漆職人を目指すうえで感じている大事なところが、すごく重なるんだよね。だから助言したくなるというか。
土屋 圭太が一歩前に進んでいて、希は圭太にもらった言葉を頼りに歩いているっていう感覚があるんです。だから、好きっていう以前に、人として尊敬しているんです。

希も圭太も
恋に鈍感!?

写真2土屋 圭太を好きっていう気持ちは、子どもの頃から希の中にあるんです。海辺のやぐらで手を引っ張ってもらったときからずっと。
山﨑 圭太も同じ。能登の言葉を必死に覚えようとジタバタ頑張っている希を見て、そのまっすぐさを好きになって。
土屋 まっすぐさ加減は、たぶん圭太のほうが上回っているけどね(笑)。だから、ずっと希のことが忘れられなかったんだと思う。(蔵本)一子とつきあったりもしたけど。
山﨑 でも、一子とのことはそれほど深い意味はなかったんじゃないかなと思うんです。夢を持っているから嫌だって言われて希にフラれたあと、夢を持っている女の子から「好き」って言われたら、「じゃあ」ってなりますよね(笑)。
土屋 (紺谷)弥太郎さんに、「女にフラれるような人間的魅力のない男は、弟子にできない」って言われたことも大きかったんじゃない?
山﨑 それもある(笑)。
土屋 そこは希も似ていて、横浜で修業し始めたときに、(池畑)大悟さんから「一人前になりたければ愛に溺れろ」って言われて、大輔さんと圭太との間で気持ちがごちゃ混ぜになっちゃう。だから、圭太が一子とつきあった気持ちは、わからなくもないんです。圭太も一子も大切な幼なじみだから、ふたりとも幸せになってほしいと、本気で思っていましたし。
山﨑 だけど、希も圭太も恋心に鈍感なんじゃないかなとは思う。圭太なんて、自分で作った輪島塗第1作の箸を希に渡して、一子を怒らせて。
土屋 希にとっては、これから修業に出るときに、同様に厳しい修業をしている圭太がくれたものだからお守りだと思って受け取ったにすぎなくて、深い意味はなく、「圭太も頑張っているんだから、私も頑張ろう」と考えているだけなんですけどね。
山﨑 圭太としても、一子という恋人はいるけれど、それとは関係なく、希に自分の最初の作品をあげたかったんですよね。破門されて挫折しかけたときに助けてくれたのが希だったから。だから怒っている一子を見ても、「一子も箸がほしかったんだ。じゃあ、作ってあげよう」っていう感じなんです。それで、「ほら、ほしかったやつだよ」って渡したら、「違う」って怒られて、「あれ?」って(笑)。

 

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