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インタビュー

連続テレビ小説「べっぴんさん」
芳根京子(坂東すみれ役)

最終更新日 2016.10.1

言えないのではなく言わないだけ
心には強い思いを秘めています

わが子へのすみれの思いを日々感じています

 すみれは、静かでボーッとしたところのある女の子です。物語が進むにつれて自分から行動するようになっていきますが、子供時代と、私が演じる成長したすみれをどうつなげればいいのか、最初は戸惑いました。台本には描かれていない横顔を想像するうちに気付いたのは、心の中には強い思いが秘められているのだということ。言いたいことを言えないのではなく、言わないだけなんです。私もそんな小学生時代を過ごしたので、自分に引き寄せてイメージしたところもあるかもしれません。

 本作では、放送2週目でもう娘がいます(笑)。おんぶしている赤ちゃんの寝顔を見ているとおろすのがかわいそうで、撮影以外の時間もずっとおんぶしていたいと思ってしまいます。リハーサルでボロボロ泣いてしまったシーンも「本番ではさくら(娘)がここに座るよ」と監督に言われたら、絶対に泣きたくないってなって。涙をこらえられるということが、母親の愛情のひとつなんだとも思いました。娘を守りたいというすみれの思いはこういうことなのかなと日々感じます。そんなすみれに寄り添っていけば、私も自然に強くなれる気がしています。

 戦後、すみれは女学校時代の友人の君枝や良子、看護師の明美と一緒に子供服のお店を始めます。お嬢様育ちでどこかフワフワしていた3人に、明美が加わることで一歩前に進めるし、明美がいないと始まらないことも多い。明美役の谷村美月さんは、しっかり周りを見てくださる温かい方で、役柄の印象と重なります。君枝役の土村芳さん、良子役の百田夏菜子さんも役柄に重なるところが多いですね。現場でもとにかく仲よしでずっとおしゃべりしています(笑)。

 すみれは、何より周りの人を大切にして生きていきます。私も現場で何ができるのかと考えたとき、常に笑顔でそこにいたいと思いました。そして、周りの皆さんに支えられているから、そうしていられるのだと気付きました。自分を信じ、支えてくれる人たちを信じて、「べっぴん」な作品をお届けできるよう全力で突っ走りたいです。

(『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 べっぴんさん Part1』より再録)

プロフィール

よしね・きょうこ

1997年生まれ、東京都出身。2013年、ドラマ「ラスト♡シンデレラ」でデビュー。主な出演作に、映画「物置のピアノ」「先輩と彼女」「64―ロクヨン―」、ドラマ「スペシャルドラマ リーガル・ハイ」「仮面ティーチャー」「探偵の探偵」「表参道高校合唱部!」「モンタージュ 三億円事件奇譚」など。NHKでは、連続テレビ小説「花子とアン」に出演。