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インタビュー

連続テレビ小説「わろてんか」
葵 わかな(ヒロイン・藤岡てん 役)

最終更新日 2017.10.02

てんがどんなときも笑うのは好きな人に笑ってほしいから

家族から受け継いだ愛を嫁ぎ先でパワーに変えて

 明るくて、笑い上戸で、表情がくるくる変わる女の子。これが、台本から最初に感じたてんちゃん像です。だけど、てんを演じていくうちに、その“心”を感じるようになってきました。

 てんは、誰かのために笑っていたい人だと思うんです。この先、藤吉さんの母・啄子さんから厳しいムチをいただいても(笑)、てんが笑えるのは受け止める力があるからこそ。自分に厳しい人を嫌いにならず、プラスの面を探してその人を好きになって、「笑わせてあげたい」と思えるのがてんの強さです。だから、ただ笑うという表現じゃなく、その心を大切に演じたいと思うようになりました。

 そんなてんのルーツは、やはり藤岡家にあります。家族がそろうシーンでは、いつもどこかで笑いが起き、ずーっとここにいたいと思える家族です。コワモテの父・儀兵衛さんは、意外と怖くなかったですね(笑)。頑固で厳しいけれど、根底にちゃんと愛があるから家族に慕われているんです。おっとり天然系だけど頼もしいお母さん、おちゃめなおばあちゃん、優しくおおらかなお兄ちゃんと妹……みんなの愛を吸収して、てんがあると実感します。

 てんが心を奪われる藤吉さんは、台本を一読するとけんかは弱いし、芸も下手だし、うそもついたり、結構な“ダメ男”です(笑)。だけど、藤吉さんを演じる松坂桃李さんの笑顔に触れたとき、「そういうことなんだ」と腑に落ちました。藤吉さんは、頑張ろうとするけどうまくいかない人で、全然悪気がないんです。そんなとき、あの笑顔を見ると、「まぁいいか」と許せて、一緒にいたくなる。いい意味で人たらしかもしれないし、それだけ藤吉さんの笑顔にはパワーがあるんですよね。

 そんなクスッと笑ってしまう要素が、このドラマにはいっぱい詰まっています。ぜひ肩の力を抜いて、毎朝、気楽に笑っていただければうれしいです

(『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 わろてんか Part1』より再録)

プロフィール

葵 わかな(あおい わかな)

1998年生まれ、神奈川県出身。2009年、ドラマ「サムライ・ハイスクール」でデビュー。主な出演作に、映画「陽だまりの彼女」「くちびるに歌を」「サバイバルファミリー」「逆光の頃」、ドラマ「表参道高校合唱部!」「マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~」など。18年は映画「ミッドナイト・バス」が公開予定。