伊原六花

Interview | 2021.09.14

バブリーダンスで一世を風靡した、俳優の伊原さん。NHK語学講座でスペイン語の学習にも励んでいる彼女が、ダンスで培った「学びの秘訣」は、意外!?なものでした。

Profile

伊原六花(いはらりっか)|大阪府出身、1999年生まれの俳優。NHK Eテレ『旅するためのスペイン語』にレギュラー出演中。安部公房:作、加藤拓也:演出の舞台『友達』に出演中(東京公演:2021年9月3日~26日@新国立劇場 小劇場、大阪公演:2021年10月2日~10日@サンケイホールブリーゼ)。

聞き手:NHK出版……

2020年10月から『旅するためのスペイン語』にご出演されていますが、スペイン語やスペイン語圏の文化に触れることは、番組に関わる前からありましたか?

ダンスが好きなので、スペイン語というか、フラメンコは人生でいつか踊ってみたいなと思っていました。以前、「死ぬまでにやりたいことリスト」を書いたことがあるんですが、そこにもフラメンコを本場で習いたいって書いたくらいです。

あと、コロナの影響で公演はなくなってしまったんですが、出演予定だったミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の役が、プエルトリコの女の子で。プエルトリコもスペイン語圏なので、セリフにスペイン語が出てくるんですよ。その時は意味を調べたり必死でしたけど、おかげで『旅するためのスペイン語』に参加した時は、この言葉知ってるな、とか、言葉に触れていた分、番組に挑むのが少し楽になりました。

フラメンコを踊ってみたいという気持ちは、いつ頃から持っていたんですか?

ダンスって色んなジャンルがあるじゃないですか。ヒップホップとかジャズとかロックとかのジャンルは触れてきたんですけど、社交ダンスとかフラメンコとかは経験したことがなくて。中でも、特に興味があったのがフラメンコだったので、ダンスを本格的に学びはじめたくらいから、いつか踊ってみたいと思っていました。

番組内で、スペイン現地ではないですけど、フラメンコを体験する機会があったと思います。実際に踊ってみていかがでしたか?

ダンスが好きな理由のひとつに、衣装が好きっていうのがあるんです。衣装を着てメイクをして、普段の自分にはないものを表現するっていうのが大好きで。フラメンコって普段着ないような衣装だと思うんです。まずそこでテンションが上がりました!

教えてもらったのは女性が踊るフラメンコのダンスなんですけど、女性らしい柔らかい仕草もあれば、音楽にはめてグって決めるとこもあって、女性の力強さやパッションを表現する感じがフラメンコの魅力だなと思いました。すごく楽しかったです!

そのお話を聞くと、本場でフラメンコを踊ってみたいというのがスペイン語を学ぶ一つのモチベーションになっていそうですね。

もちろんフラメンコを本場で習いたいというのも大きいんですが、スペイン語圏の国は多くあるので、世界が広がるというのもあるなと思っています。日本とは違った価値観を持つ方がたくさんいらっしゃると思うので、コミュニケーションが取れるようになったら、自分が知らない感じ方とか受け取り方とかを知れるんだろうなって。

コロナの影響もあり、スペインでのロケがなくなってしまったりと、モチベーションの維持は難しくありませんでしたか?

その意味では家族の存在が大きいかもしれないです。家族にスペイン語について質問されて単語帳を開けたら、やったはずなのに忘れている単語が多かったんです。それがすごく悔しくて……。分からないって言いたくなくて、またイチからやり直したりしてました(笑)。

私、単語に関してはひたすら書き続ける勉強法なんですけど、目に見えてノートが真っ黒になっていくのが快感で。「こんだけやったんだからもっとやろう」とモチベーションを保ってました。

あと、母が番組を見てくれていて「今日はこんなん習ってたなぁ」って電話がかかってくるんですよ。で「それは〇〇って使い方が正しいんだよって」説明したりすると、自分の頭の中でも整理されるんです。そういった親との自然な復習の時間も、モチベーション維持に効果的だったなと思います。

ご家族とのコミュニケーションの中に、スペイン語学習があったんですね。素敵です!

ちなみに今日お持ちいただいたスペイン語の参考書は普段から持ち歩いていると伺ったんですが、たくさんお持ちですね……!

番組が始まって文法を習っていくなかで「言いたい単語が分からない!」ってなったんです。英語はある程度言葉がわかるけど、スペイン語はそもそも単語から分からないってことに気づいて、まずは単語を覚えようと思って単語帳を買いました。

そのあと、単語以外は実践の中で覚えていかないとニュアンスが分からないので、シチュエーション別で説明してくれている本を買いました。スペイン語は動詞の変化・活用が多いので、その使い方が分かりやすく書いてある本も役立っています。ほかにも、応用だったり、初歩の本に載ってない内容を補完する参考書も使ってます。

本気で学んでいらっしゃるのが伝わってきます!こういった本を含め、どういうシーンで勉強することが多いですか?

今は電車の中とか、移動時間が多いです。一時期は「今日はここまで単語を覚えよう」「1日1ページは増やしていく」って決めて夜にやっていました。

単語を覚えるときは、まずノートに日本語の意味とスペイン語を書いて、スペイン語の部分だけを隠して勉強します。間違えた言葉があったら、それをひたすらノートに書いて覚えます。最後に1日を振り返るテストも自分で作ってやって……。

あと歩きながら喋るとスペイン語は記憶に入りやすいって聞いたことがあったので、時間がある時は家の中を歩きながら単語を発音して覚えたりもします。

すごい……!スペイン語にかなり時間をかけていらっしゃいますか?ご自身としても頑張ろう!みたいな意識をされていますか?

頑張らなきゃみたいな感じはあまりないです。喋れるようになれたら楽しいし、だから学ぶこと自体は苦じゃなくて。

私、「頑張ってる」とか「我慢してる」とか「努力してる」とか思うと続かないタイプなんです。だから自分の中で熱量のバランスを取りながら、気が向いたときに勉強するようにしています。

先ほど、歩きながら単語を覚える話が出ましたが、ほかにも伊原さんならではの勉強法はありますか? 例えばダンスの経験を活かして、身体をアクティブに使ったりとか。

身体というか耳を使っての習得が得意な気がします。音で聴くほうが覚えやすいというか。

実践的な会話もそうですし、歌って踊って覚える回があったんですけど、それも未だに覚えています。台本の練習も自分の声とか相手のセリフとかをスマホに録音してやったりもします。相手がいるみたいにしたり、自分の声がどう聞こえているのかとか、確認したりしてします。

耳から入ってくる情報が伊原さんにとっては重要なんですね。

私、邦楽は無意識に聴けないタイプなんです。言葉が入ってきちゃって、音楽の歌詞に集中しちゃうんです。移動時間とかで音楽を流すときは、言語があまりわからない洋楽とか、歌詞のないジャズとかクラシックじゃないと、音楽に耳を持ってかれちゃって。

あと音から覚えるときって、あんまり頑張っている感じがしないのもポイントなんです。勉強しているってあまり思わないというか。だから自分に合ってるんだなと思います。

スペイン語やイタリア語などは、関西弁と響きがどこか似ている、なんて話を聞いたことがあるんですが、関西出身の伊原さんとしては、自然体で喋れる感じはありますか?

ありますね! 関西の人って巻き舌が上手だから、スペイン語に向いてるよって言われたことがあるんです。普段巻き舌を使うことはあまりないんですけど、確かにスペイン語で巻き舌に苦戦することはあまりなかったです。

ほかにもスペイン語の感嘆文って、関西弁の「なんやねんそれ」「それちゃうやろ」といった言葉に近いものを感じるんです。言葉のメロディーがポップで明るい気持ちにさせてくれるというか。現地に行ったら、ノリが合うんだろうなって思ってます!

お話を伺って、伊原さんはハマるととことん追求するタイプのように感じたのですが物事にハマるきっかけって何か具体的にありますか?

私が物事にハマるときは、すべてにおいてひとめ惚れです。「スペイン語話してる人カッコいい」とか「このダンスできたら素敵」とか。きっかけは些細なことかもしれないですけど、そこからガッとのめり込んでいく感じですね。

ハマったとしても、頑張って時間を割くというよりは気づいたら時間が経っている、っていう感覚でやっている気がします。

ダンスに関していうと「どうしてそんなずっとダンスできるの」「ほんと努力してすごいね」って言われるんですけど、私からするとあんまり努力している感じはなくて。ダンスがそうなので、他のことに取り組むときも、「頑張ってる」って自分で思っちゃうと長く続かない感じがします。

逆にそれだけ好きなもので、つまずいたり、くじけそうなときはどうされるんですか?

例えばダンスのオーディションに落ちたら、絶対次のオーディションまでに仕上げる!って感じでやります。出来てる人がいるんだから、もっと努力すれば自分だって出来る、って思ってやるようにしています。「もっと出来たじゃん」って後から思うのがイヤなので。

言葉にすると強い気がしますが、ほんとただの負けず嫌いなだけかも(笑)。

まっすぐで、とっても素敵だと思います!最後に伊原さんの「学びの秘訣」を教えてください。

負けず嫌いも大きいと思うんですけど、やっぱり「頑張ってるって思わない」な気がします。「頑張ってる」って思わないくらい学ぶことに熱中できれば、きっとうまくいくと思います。ダンスに負けないくらい、スペイン語も「頑張ってるって思わない」状態で、これからも学び続けていきたいと思います!

伊原六花さんの学びの秘訣

STAFF

  • Photo : Masataka Nakada
  • Styling : Yukari Toyama
  • Hair&Make-up : Rika Fujiwara
  • Text&Edit : Shun Inoue

この記事をシェアする

  • Lineでシェア

OTHER CONTENTS