ブックタイトル中山七里「境界線」
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『護られなかった者たちへ』待望の続編! 東日本大震災によって引かれたさまざまな“境界線”が導く真実とは? 著者渾身の社会派ミステリー小説。
27は皆が感じている。だから、まず俺たちを信じろ」 両角の言葉が胸を刺す。同情と厳げん峻しゅんを併せ持った響きだった。「ここは鑑識に一任しましょう」 背後から蓮田も引き留めにかかる。ここで笘篠が我を押し通せば醜態にしかならない。「よろしく」 それだけ言い残して笘篠は踵きびすを返す。自分でも気づかぬうちに勇み足になりかけていたのかもしれない。 感謝と羞恥を綯な い交ぜにしながら県警に戻って一時間後、両角から連絡が入った。 排出物の中から接着剤の被膜らしきものが採取されたとの知らせだった。