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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 16/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

16 早い話、責任は二倍です……という意味。「そういうのを主なる夫と書いて、主夫というそうだね。まぁ、日本じゃ珍しいかもしれないけど、そのうち増えるだろうから、トモローくんは、その先駆けだな」 やがてコップにビールが注がれ、なし崩し的に乾杯になる。「婚約おめでとう……そして、主夫・トモローくんの誕生、おめでとう」 お父さんの音頭でみんなはコップを打ち合わせ、真っ昼間だというのに、一息にビールを喉に流し込んだ。(これは……うまいんだか、うまくないんだか) 半分ほど飲んだトモローは、少し神妙な顔でビールの泡を眺める。(つづく)