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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 13/20

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

13戻ってくれた。ちなみに、その体操は四つん這いになってお尻を突き出す……という色っぽいものだったので、ついトモローは見入ってしまうことが多かったのだが、そのたびに美智子に「エッチ・スケッチ・ワンタッチ」と意味不明な罵声を浴びせられたりもしたのだった。また、お義母さんに気をつけるように釘を刺された美智子の体重の増加も、さほどのことはなく、医者からは“優秀”のお墨付きをもらったほどだ。これはトモローの功績と認められ、お義母さんからコッソリ小遣いをもらったこともあった。やがて夏が来て──美智子のお腹はますます大きくなった。「見て見て、トモくん……おへそが裏返っちゃった」「あっ、ホントだ」裏返ったというより、内側から押されてへこみが浅くなったのだろうが、へその中というのは、こうなっているのか……とトモローは改めて感心した。妊婦用の雑誌によれば、盛り上がって出べそ状態になる人もいるそうだが、もちろん出産後は元に戻る。「これ、写真に撮っていいかな」「面白いから撮って、撮って」何から何まで初めてで、トモローにとっても美智子にとっても、“楽しい妊娠生活”だった。もちろん、そんな呑気なことが言えるのも、幸いにも何の問題も起こらなかったからであるが、どんなことでも面白がってしまう美智子の性格によるところが大きかったのは確か