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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 19/20

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概要:
朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

19空を見上げると、夏の名残の太陽が輝いている。空全体は薄曇りだが、直視できないくらいに眩まぶしい。あぁ、早く娘に、あの太陽を見せてやりたい──そう思うと、なぜか目の前がじんわりと滲にじんだ。その潤んだ目の中で光は散らばり、やがて視野のすべてが白銀になる。「生まれたぁああ!」近所の迷惑も顧みず、いつのまにかトモローは叫んでいた。(つづく)