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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 1/16

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概要:
朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

(俺も父親になったのかぁ)生まれた日の夕方、病院のベッドですやすやと眠る赤ちゃんを見ながらトモローは思ったが、まだ困惑の中にいたことも確かだった。この赤ちゃんが自分の子供だという実感も湧わかないし、正直なところ、自分が今、この赤ちゃんをかわいいと思っているのかどうかも、よくわからなかった。道義的には思わなければならないのだろうが、やっぱり急にはムリだ。(俺に似てるのかな……いや、ミッちゃんの方にかな)寝ている姿を見ると、どちらにも似ているような気がするし、どちらにも似ていないような気もする。目はつぶったままだし、鼻も小さいのがチョコンとくっついているだけだから、美人なのかどうかもわからない。(なんか、お地蔵さんみたいな顔してるけど)この子が生まれるのと同時に、親としての自分も生まれるのだ……と、美智子は言っていトモローがおっぱいに嫉妬したワケ1