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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 1/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

やがて二月も終わりになり、美智子が会社に戻る時が迫ってきた。いよいよ明日から出勤という日の夜、出産前に着ていたジャケットがキツくなっていることにショックを受けながら、美智子は言った。「これからはトモくんが頼りだけど……大丈夫よね?」そう聞かれても、やってみないことには何とも答えようがない。やはり自信は、実践を通して培われるものだ。「とにかく、がんばってみるよ」とりあえず答えたが、その実、トモローはあまり不安も感じていなかった。すでにオムツ替えなどは手慣れたものであったし、むずかり対策には、必殺の『森の木陰でドンジャラホイ』攻撃がある。時には通用しないこともあるが、そこは根性で乗り切ろう。「まぁ、心配なのは、チーコがあまり哺乳瓶で飲むのが得意じゃないってことかな」「そうねぇ……でも、こればっかりはチーコ自身に頑張ってもらわないとね。今のところは、トモローが若干メゲたワケ1