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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 1/18

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概要:
朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

富岡メグちゃんママは、トモローに初めてできた育児友だち──いわゆる〝ママ友〟である。友だちと言っても、下の名前はわからない。お互いに自己紹介した時、名字と子供の名前を教え合っただけで、下の名前は聞かなかったのだ。メグというのは子供の名前で、恵と書いて「メグミ」──そのママだから、メグちゃんママだ。それで十分に呼び名として機能するのだから、別に下の名前は知らなくてもいい。ちなみにメグちゃんママは、トモローを〝チーちゃんパパ〟と呼ぶ。バスの中で出会い、公園で話しかけられてから、トモローはメグちゃんママと、よく話すようになった。それまでも同じ時間帯に例のプリン公園に居合わせていたらしいが、トモローは気付いていなかった。というのも、子供を連れているお母さんは、みんな何となく雰囲気が似ていて、あまり区別がついていなかったのだ。むしろ印象に残っているのは、チーコを連れた自分を怪訝そうな目で見ていた人の方ばかりだ。トモローが若干メゲたワケ4