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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 12/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

12その考え方で行くと、メグちゃんママは自分と似たような価値観を持っている人……と言えるかもしれない。「たぶんミッちゃんとも、気が合うと思うな。もし一緒に公園に行った時に会ったら、紹介してあげるよ」トモローが言うと、美智子は、ふぅん……と、どこか気のない返事をした。「あ、でも、土日は、その人、公園に来ないんだよなぁ。何でも旦那さんがいる時は、なるべく近くにいて世話してやらないと、機嫌が悪くなるんだって。きっと旦那さんも、奥さんに構ってもらいたいんだろうね」そう言って笑うと、部屋着に着替えた美智子が、ベビーベッドからチーコを抱き上げて言った。「トモくん……こういうこと言ったら、悪いんだけどさ」「なに?」美智子が真剣な表情を浮かべていたので、トモローも真顔になる。「正直言うと、その人と、あんまり仲良くしてほしくないな」一瞬、何を言われているのか、よく理解できなかった。「トモくんの話を聞いてるだけで、そのメグちゃんママっていう人が、いい人なんだろうなってわかるわ……きっと実際に会ったら、私とも話が合うかもね」「そうだよ。俺よりも、むしろミッちゃんが気に入ると思うなぁ」