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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 13/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

13「だから、あんまりトモくんに、その人と仲良くしてほしくないの」少し考えて、どうにか美智子の真意を悟った──もしかすると自分の夫と、メグちゃんママなる女性が、何かの拍子に変な関係になってしまうのではないか……と心配しているのだ。「やだなぁ、ミッちゃん、考え過ぎだよ」一歳年上の美智子にも、意外にかわいいところがある……と思いながら、トモローは笑った。おおらかな性格の美智子にしては、珍しい発言だった。「もしかして俺とメグちゃんママが、どうかなるとでも思ってるの? そんなこと、あり得るわけないだろ」どう考えても、それはない。メグちゃんママと話していると、部活動か習い事の先輩と話しているような気がするものの、それ以上の感情は一切湧かなかった。申し訳ないが、ほとんど女性と意識したことはないのだ。トモローがそう言うと、美智子はチーコの?にキスした後、少し険のある視線をトモローに向けた。「だって私、昼間もトモくんのそばにいて、見張ってるわけじゃないんだもの……少しも心配するなって言う方が無理よ」「ミッちゃん」トモローは珍しく、強い口調で言った。「そんなふうに勘繰るのは、メグちゃんママに失礼だよ。俺がそんな男じゃないってことも、