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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 16/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

16「悪いんだけど、もう仲良くできないみたい……誰かが、変な噂を流してるのよ」「どういうことですか」寝耳に水の言葉に、思わずトモローは目をパチパチさせて聞き返した。「私とあなたが変な関係なんじゃないかって、誰かが近所で言い触らしたみたいなのよ。たぶん、この公園に来てる誰かだと思うけど」そう言いながらメグちゃんママは公園の中を見回した。その日もやはり、何人ものお母さんたちが子供を連れて来ていて、それぞれのグループに分かれて楽しげに立ち話をしていた。この中の誰かが、変な噂を流しているのだろうか──トモローはたまらなく不愉快になったものの、むろん犯人はわからない。「いつも二人で話してたから、そんなふうに見えちゃったのかもね」「でも……そんなのは、根も葉もないことじゃないですか」「うん、根も葉もない。でも、本当に根も葉もないって知ってるのは、私とチーちゃんパパだけでしょ」それはそうだが──。「前も話したけど、うちの旦那、古い人だからさ。そういうのが耳に入っちゃうと、ちょっとまずいんだ」 そういうことはトモローだって、まずい。「だから本当に悪いんだけど、もう仲良くできないわ。そんな噂を立てられちゃ、たまらな