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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 5/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

じ悩みを抱えているので助け合えるし、相談にも乗ってもらえる。また、家族にも言えないような愚痴をこぼすことで、ストレス発散にもなる──やはり育児友だちは、いないより、いた方がいい。 そういった精神的な部分の他にも、利点は多い。たとえば、お互いに使わなくなったものを譲り合ったりできるのも、育児友だちがいればこそだ。「チーちゃんパパ、よかったら、これ、もらってくれない? 次の子ができたら使うつもりで取っといたんだけど……どうも、そんな雰囲気なさそうだし」よく話すようになって一か月ほどした後、メグちゃんママは古いベビー服を大量にくれた。もちろんメグちゃんが使っていたものだが、まだまだ問題なく使えそうなものばかりだった。何せ赤ちゃんはすぐに大きくなってしまうので、?繁に服を買い替えなくてはならない。結局、ほとんどのベビー服は、くたびれる前にお役御免になってしまうことが多いのだ。「いいんですか……助かりますよ」「旦那の従兄弟にも赤ちゃんがいる人がいるんだけど、その家の赤ちゃんは男の子でさ。肌着なんかはもらってくれたんだけど、こういうのはいらないって言われちゃったの」メグちゃんママがくれたベビー服は、いかにも女の子的な、かわいいデザインのものばかりだった。「もったいないですね。何を着せたって、当の赤ちゃんにはわからないのに」「その従兄弟が嫌がるのよ。どうも旦那の家系は、みんな頭の固い人ばっかりみたいで……