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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 6/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

男の子に女の子の服を着せるなんて、あり得ないと思ってるのね」まぁ、あんまり堂々と着せるものでもないかもしれないが。「すみません、じゃあ、ありがたくいただきます」どうしてもメグちゃんの方が大きいので、トモローの方はもらうばかりだったが、一応はお礼として、負担にならない程度の品を送ったりもした。けれどメグちゃんママが受け取ってくれたのは最初の一回だけで、その時に「二度と、こんな変な気は遣わないでちょうだい」と言われ、それ以後は受け取ってもらえなくなった。「こっちとしても、助かってるんだから……やっぱり、この子が使ったものは捨てられなくてさ。だから、そっちで使ってもらうと、こっちも助かるのよ」あぁ、わかるなぁ、その気持ち──確かに捨てるのには忍びないし、かといって、取っておく場所の余裕もないものだ。きっと育児をしている人の誰もが、必ずぶつかる問題かもしれないが、そのリサイクルの輪の中に入れてもらえたことで、トモローは主夫0 0 としての自分が認められたような気がした。「やっぱり、育児友だちっていいもんだよ」メグちゃんママと知り合ってから二か月ほどした、ある日の夜──仕事から帰ってきた美智子に、トモローは言った。「どこの小児科の評判がいいかとか、紙オムツはどこが安いかとか、けっこう実際的なこと