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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 7/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

をいろいろ教えてくれるんだよ。そういうことは、さすがにお義母さんも知らないからさ」「確かに、その手の情報は現役の人の方が、よく知ってるものね。よかったじゃない、トモくん」「それに、他のお母さんたちとの橋渡しって言うのかな……そういうこともしてくれるから、助かるんだよ」トモローにとって、もっともありがたく感じられたのは、実はそこだった。一人でチーコを連れていると、何となく変な目で見られることが多いのだが、メグちゃんママがそばにいると、他の若いお母さんも安心するのか、割と気安く話しかけてくれたりするのだ。そのおかげで、トモローは何人かのお母さんたちと顔見知りになった。「まぁ、メグちゃんが三歳だから、そのお母さんの知り合いも、そのくらいの子供がいる人が多いんだけどさ……少なくとも公園で、〝何なの、あの人〟って目で見られないだけ、ずっと前よりいいよ」もちろん、プリン公園に集まっているすべてのお母さんたちに、受け入れられているわけではない……ということは、よくわかっている。チーコを連れていくようになってから気づいたことだが、同じ時間帯に公園に集まっているお母さんたちは、いくつかのグループに分かれていた。何度か見ているうちに、グループを構成している人たちが見分けられるようになったが、それぞれのグループの人たちが入れ替わったり、また新しく人が増えているような様子は、ほとんどないようだった。