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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 8/18

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

メグちゃんママの解説によると、そのお母さんたちの?がり方は、いろいろなのだそうだ。たとえば、同じマンションに住んでいるママ同士とか、上の兄弟が同じ学校に通っているとか──中には、同じ病院で産んだというグループもあるらしい。「でもね……みんながみんな、話しやすいってわけじゃないのよ」この話をする時、メグちゃんママはわかりやすく声を潜めた。「ほら、小学校とか中学校の時にも、仲のいい人同士がグループを作ったりしていたでしょ? あぁいうのって割と閉鎖的で、後から他の人が入ったりすることはないでしょ?」そう言われてもトモローには、あまりピンと来なかった。もちろん自分にだって、ヒトシを筆頭に仲のいい友だちはたくさんいたけれど、そのグループは流動的で、来る者は拒まず、去る者は追わず……が基本だった。単にトモローたちがおおらかだったのかもしれないが、ずいぶんのんびりした友だち付き合いだったような気がする。「私は中学、高校と女子校だったから、余計にそう感じるのかもしれないけど、特に女は、そういうことに敏感なのよね。いいことか悪いことかは置いといて……自分の好きな人間だけで、固まるのが好きなの」確かに女の子のグルーブは、男の子のグループよりも結束が固かったような気もするが、もちろん個人差もあるだろう。「別に、それはそれでいいんだけど……変に垣根を作っちゃうのは考えものよね」「作っちゃいますか、垣根」