tomorou018

NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 7/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

「小暮さんも、あまり近所に知り合いがいないんですって。だからトモローさんも、お友だちになって差し上げてくださいよ」「あのね、ノンちゃん……前も言ったかもしれないけど、無理に敬語を使おうとしなくていいからね。ストレートに言っちゃうと、キミの敬語は微妙だよ」「そうですかぁ?」初めの頃を思い出すとノリコもずいぶんくだけてきたと思うが、それでも馴れない敬語を使おうとするのは、こちらを年上として立ててくれているからだろう。けれど、そのうち舌を?んでしまいそうで、正直怖い。「ママ、あのお滑りで遊んでいい?」大人同士で話していると、エミコちゃんが母親のブラウスの裾を引っ張って言った。その指さす先には普通の滑り台をずっと小さくした、小さい子用の滑り台があった。「あぁ、ごめんごめん、みんなで遊ぶといいよ」トモローがエミコの頭を撫でて言うと、嬉しそうにうなずき、トモローの横にいたチーコの手をとって、一緒に滑り台に向かった。(うわっ、メチャメチャいい子だなぁ)チーコやエーちゃんよりも年上なのは見てわかるが、何も言わないのに年下の子の面倒を見ようとするなんて、なかなかできるものではない。「エミコちゃんって、すごいですね」