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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 7/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

まち、二人のお絵描き大会になる。(ホントに子供って、絵を描くのが好きだよなぁ)そう思いながら二人の手元を見ていると、小暮さんが小さな声で言った。「私もこの子みたいに、小さい時から絵を描くのが好きだったんです……でも、運動の方はからきしダメで」「運動は、僕もあんまり得意じゃなかったですねぇ」トモローは子供の頃から、〝万事が真ん中〟であった。勉強も運動も真ん中で、ひどくもないがすごくもない……というのが、トモローの少年時代の評価である。運動会の時など、全員参加の徒競走で二着か三着になることはあっても、クラス対抗リレーの選手に選ばれるようなこともなかった。「斉藤さんも気がついてると思いますけど……私、子供の頃から、ちょっとでも緊張すると、顔がすごく赤くなるんです。大人になってマシになった方なんですけど、今でも、結構すごいと思うんですよ」「それは肌の色が、人より白いからじゃないですか?」いわゆる赤面症というやつなのだろう……と気づいていたが、ストレートには言えないので、そう答えておいた。よその奥さんに放つ言葉としては若干ナイーブな内容なので、わざと口調も素っ気なくした。「そんなに気を使ってくださらなくってもいいんですよ。このせいで私、ずっと〝ゆでダ