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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 6/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

「親の方もね、歳だけはとっているのに子供みたいな考え方をしている人も多くて……たとえば、やっぱり富士朗が幼稚園の頃に、髪を真っ黄色に染めてる子がいたの」そういう子をトモローも見たことがある。たいていの場合、その母親も同じような色の髪をしていることが多いので、もしかすると自宅で毛染めをして、その時に余った薬剤を子供に使っているのではないかと思えた。細い子供の髪にそんなことをしたら、かなりのダメージを受けてしまうに違いないが、そういう心配はしないのだろうか。「親は、それがカッコいいと思ってるのかもしれないけど、それって子供には、いい迷惑よね」「やっぱり髪が傷みますしね」「そればっかりじゃなくて……そういう頭にするってことは、その子がしなくてもいい苦労をするようになるじゃない? どうしても年上の子に目をつけられるし、黙っててもケンカを売られちゃうようなことだって、あるでしょ。他の子も近付いてこなくなるし……早い話、その頭のせいで、その子は〝はぐれモノ〟になりやすいのよ」そうかもしれないと、トモローも思った。まだ自分の中に確たる柱を持たない年頃の子供は、大人よりも教条主義だし、周囲の人間の態度によって、自我を作り上げているようなところがある。そんな年頃に、親の身勝手で〝はぐれモノ〟にされてはたまったものではない。そういうことは、是非を判断できるような年齢になってから、自己責任でやればいい。『理由なき反抗』だろうが、『つっぱりハイス