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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 7/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

クール・ロックンロール』だろうが、本人の気の済むように。「親だって少し頭を使えば、そういうことがわかるはずなんだけどね。その小暮さんっていう人とは反対に、自分が子供だった頃のことを、すっかり忘れてるんだわ」そう言いながら義姉は、小さな溜息を吐いた。「全部が全部、そのせいだとは言わないけど……その子はよく笑うかわいい子だったのに、いつのまにか眉間に皺を寄せるのが普通になっちゃってさ。今は立派に学校の問題児になってるわ」偶然ですね、あなたのご主人も、そんな感じの子供でしたよ──そんな言葉が口を突いて出そうになるが、慌てて?み込む。「ホントに、親もいろいろだわね」まさか、それが相談に対する義姉の答えというわけではあるまい。「確かにそのとおりだと思うけど、だったら、小暮さんはどうすればいいんですかね?」「残念だけど、自分でどうにかするしかないと思うわ」もしやとは思ったが、あんまりと言えば、あんまりな結論だなぁ──トモローがそう思った時、それが顔に出たのか、義姉は口調を強めて付け足した。「だって、しょうがないでしょう? 今言ったみたいに、親の考え方も大人としての成熟度も、みんなバラバラ……つまり相手の方を変えるのは難しいのよ。その人がどの程度のことで昔を思い出して、相手の子供に手を挙げたくなるのかは知らないけど、人によっては〝そ