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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 1/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

「頭に血が昇りそうになったら、一曲歌って落ち着く……ってことッスか。なるほど、そりゃあ、なかなかの手かもしれないッスね」小暮さんにアドバイスをしてから三日ほどした土曜日、やはり公園で久しぶりに会った武井は言った。「ホントにそう思うかい?」「もちろんッスよ。だってトモローさんの言うとおり、みんながみんな、仲良くやれるわけじゃないッスからね。それこそ世間は、右を向いても左を見ても、バカと利口の絡み合いッスよ」何だか歌の文句のようなことを言う──微妙に違っているけれど。「自分と違う言い分の人間とうまくやってくのは、ホントに大変ッスよ。それが無理だったら、なるべく気にしないようにするしかないッスよね。歌でも歌って、気分を変えるのが一番でしょ」「でもさ……それって、結局は誤魔化しのような気もするんだよね。根本的な解決には、トモローが風に歌ったワケ4