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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 6/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

かせてみると、ちょっとした凹凸が、いかに小さな子供や老人にとって厄介なものかがわかる。また自動車も、実は相当に荒っぽい運転をしているドライバーが多いということも、わかるようになった。それで食べているプロドライバーであっても、青信号を渡っている時に強引に曲がってくるヤツが多いのだ。まるで、仕事ならばどんな事情よりも優先される……とでも思っているかのように。「何だかマジメな話で照れくさいけどさ……自分以外に大切なものができて初めて実感できることって、案外に多いよね」 「まったくッスよ。だから、その小暮さんって人のことも、気になりますねぇ。ダンナが、もっと話を聞いてやればいいのに」武井は眉間に皺を寄せて言ったが、その顔つきは相変わらず凶悪で──おそらく世間から見れば、そんな心優しい話をしているとは、夢にも思うまい。「いっそ俺たちでダンナさんのところに殴り込んで、奥さんの話を聞くように言ってみましょうか」「やっぱりキミは、殴り込むって発想になるんだなぁ……別にケンカじゃないんだから、普通に話せばいいだろ」トモローは苦笑したが、それも悪くないかもしれないと思った。男同士だからこそ、できる話もある。「でも……俺たちが押しかけたら、ダンナさんも変に思うんじゃないかな。育児友だちって