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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 7/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

言っても、ピンと来ないだろうし」「いやぁ、構いませんよ。『おまえたち、何なんだ』って聞かれたら、胸を張って答えりゃいいじゃないスか……『俺たちゃパパ友だよ、何か文句あんのか、あーん?』って」そう言いながら武井は、大げさに眉を顰めて顎を突き出し、ことさらに威圧的な表情を作った。「だから、普通に話せばいいだろうが」その広い額をぺチリと叩いて、トモローは突っ込む。「あ、今のマジで痛ぇッス」知るか。その後、本当にご主人に相談してみよう……という話になったのだが──残念なことに、その思いつきは間に合わなかった。恐れていたことが、ついに起こってしまったのである。その知らせをノリコから受けたのは、それから間もなくの土曜の夜だった。その時、トモローはチーコの面倒を美智子に任せ、台所で夕食の回ホイ鍋コー肉ローを作っているところだった。テフロン加工のフライパンを振りつつ、具材への火の通り具合に心を傾けていた時、部屋で電話が鳴った。「トモくん、ノンちゃんから電話……何だか、すごく慌ててるみたいだけど」コンロの火を消してから電話に出ると、どこか切羽詰まったようなノリコの声が受話器か