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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 13/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

13分もありまして」「そうでしょう? どんな夢でも、本当に果たそうと思ったら、大変よ。それなりの犠牲を払わなくっちゃならない時もあるし」まったく、そのとおり──簡単に叶うなら、それは〝夢〟と呼ぶレベルのものではないのかもしれない。(それなりの犠牲……ね)自分は夢のために、何か犠牲を払っているだろうか。あえていえば、主夫という珍しいスタンスに立って家事と育児に追われ、ついでに「男のくせに」という目で見られていることが、自分が払っている犠牲なのかもしれない。「実は、私にも夢があるの」しばらくトモローの話を聞いた後、メグちゃんママは声を顰ひそめて言った。「その夢は、本当は昔からあったんだけど……私はなるべく考えないようにしてきたの。どうせ考えても、親には認めてもらえそうになかったし」「親御さんに認められないと、実現できないような夢なんですか?」「そんなこともないけど……私、昔から親に逆らったことがなくてさ。けっこう、いい子だったのよ」少し意外な気もした。「私の親って、女は早く結婚して家に入るのがいい……って考え方でね。で、結婚したら、