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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 14/16

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

14旦那が出世できるように内助の功に励むのが、女の誉だって思っているようなところもあったの。まぁ、お母さんなんか、そのまんまの生き方をしてるんだけど」若干古風な考え方かもしれないが、決して突飛でもない。一昔前は、そういう考え方をする人たちは当たり前にいたものだ。「でもメグちゃんママは、それとは違う夢を持ったんですね?」話の流れから考えれば、当然、そういうことなのだろう。「どんな夢です?」「アパレルの会社を作りたいの」「おぉっ」彼女の言葉に、トモローは思わず声を漏らした。起業なんて男性でも二の足を踏むのに、さすがメグちゃんママ──やはり器が大きい。「すごいじゃないですか、会社を作るなんて……末は社長さんですね」トモローは、素直にそう思った。正直なところ、どのくらい大変なことなのかは実感できていないが、決して容易なことではないはずだ。時間も資金もかかるだろうし、仮に失敗してしまったら、それらをすべて失ってしまう可能性だってあるだろう。そんな賭けに打って出られる人間を、トモローは男女の別なく尊敬してしまう。「実は……その話、かなり具体的になってるのよ。今の会社が、かなり順調でね。一年後く