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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 1/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

1ゴローから、広島に立つ日が決まった……という電話を受けたのは、クリスマスの夜だった。「おまえ……やっぱり一緒に行かないか」「前にも行ったけど、俺にも、いろいろあるからさ。兄貴たちだけでも行ってきてよ」「そうか。まぁ、無理にとは言わないけど、一緒に行った方が、迎える方のオフクロが楽なんじゃないかと思ってさ」以前はトモローに判断を委ねるようなことを言っていたのに、いざ自分が行くことが決まると、混ぜ返すようなことを言い出す。「オフクロのホテルに泊まることになってるんだけど、年末の稼ぎ時なのに、いい部屋を用意してくれるらしいぜ」そのゴローの口調は、どことなく浮かれているようにも聞こえた。家族旅行を楽しみにしているような言い方をしているが、やはり何十年ぶりかで母親と対面することがうれしいに違いない。トモローが揺れちゃったワケ5