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NHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー page 11/14

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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。

11せめてメグちゃんが小学校四、五年になってからの方が、負担が少ないのではないだろうか。特に中学生くらいになれば、子供は自分の世界を持って、「親といるより友だちと一緒の方がいい」なんて言い出すはずだから、それまで待つわけにはいかないのだろうか。トモローがそう言うと、メグちゃんママは、驚いたような声を上げた。「すごいわね、チィちゃんパパ。何でも、お見通しだわ」「別に、何も見通してませんけど……どういうことですか?」「旦那の出した条件っていうのが、まさしく、それだったのよ。だから、だいたいメグが中学校に入る頃ね」続いてメグちゃんママの口から飛び出してきた言葉を聞いて、合点がいった。「どうもね、二人目ができたみたいなのよぉ」「えっ!?」受話器を耳に当てながら、トモローが目を丸くしたのは言うまでもない。にぎやかなくらいに旦那さんの悪口を並べていたのに、その展開はおかしいんじゃないの。「別におかしくないわよ。だって、夫婦なんだし」「いやぁ、おかしいでしょう……ケンカしてるのに、その、まぁ、子供はできちゃうんですか」「言葉に気をつけてね。セクハラ、ギリギリよ」メグちゃんママは冷やかすように言ったが──やっぱり勝手だなぁ。