ブックタイトルNHK出版|WEBマガジン|主夫のトモロー
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朱川湊人「主夫のトモロー」:家事や育児を通じて“主夫”トモローが直面する苦悩と出会いの毎日を描く、現代の「イクメン・婚活ブーム」に一石を投じる、痛快家族小説。
11最後に兄貴は言ったが、トモローは首を傾げざるを得なかった。「ちゃんとした就職をしてたら、そんな入ってすぐに休んだりできないよ。うまい具合にパートが見つかったら、やりようもあるかもしれないけど」「ちっ、こいつ、本当にヘソが曲がってんな」「俺のヘソは、脇腹についてるからな……兄貴も知ってるだろ」「あれはおデキの跡だろうが」そう言って、バカな兄弟は笑い合った。救いの神は、ポストにやってきた。二月の半ば、いつものように朝刊の折り込み広告を外した時、こんな求人広告がトモローの目に飛び込んできたのだ。『明るい職場を、みんなで作りませんか? サントウホームセンター ○○店 4月25日堂々オープン!』なぜかピンと来るものがあって、よく読んでみる──どうやらアパートから自転車で二十分ほどのところに、新しくホームセンターが開店するそうだ。そのためにパートやアルバイト社員を、大量に雇うらしい。応募資格を見ると、男女の差も年齢も、特に細かな指定はなかった。すでに定年退職したシニア男性も歓迎と書いてある。シニア男性がOKなら、主夫男性を断る理由もないのでは