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8・15と3・11

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NHK出版新書 388

8・15と3・11 戦後史の死角

[著] 笠井潔

発売日 2012年09月11日

新書

品切れ

定価 858円(本体780円)

送料 110円

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商品紹介

「大本営」から「原子力ムラ」へ なぜ破局は繰り返されるのか?

3・11は戦後史の必然的な帰結である!丸山真男から三島由紀夫までの戦後思想を再検討し、60年安保から高度成長、バブル崩壊、そして福島原発事故にいたる戦後史を捉えなおす。8・15を真に反省できなかった日本人が、「平和と繁栄」の戦後社会に災厄の種をまいたことを明らかにする。この国の宿命的な病理を暴き、克服すべき真の課題を考察する著者渾身の一冊。

 3・11以降のエネルギー政策を見ていると、既視感をおぼえないだろうか。裏づけのない希望的観測、その場しのぎの泥縄式方針の乱発。これらは8・15に帰結した戦争指導者たちの失態と驚くほどよく似ている。では、両者に通底するものは何か。それを本書では主として二つの視点から考察する。
 一つは、8・15以降の戦後史の再検討である。戦死者を忘却し、一夜にして「民主主義万歳」になったこと。朝鮮特需からべトナム特需まで、自国の「繁栄」に有益であれば他国の戦争被害を内心では歓迎したこと。唯一の被爆国でありながら原子力の「平和利用」が推進され続けたこと。最悪な可能性を想定して準備することもないまま「みんなで頑張ればなんとかなる」「見て見ぬふり」という空気が、敗戦以降もこの国を覆っており、それが、今回の政府による原発再稼動によって極まったことを論じる。
 この国を覆う「空気の支配」については、山本七平などの先行説がある。本書のもう一つの視点は、先行説も視野に入れ、丸山真男から三島由紀夫までの戦後思想を検討しながら、8・15から3・11への思想史的背景を探ることである。この国では、唯一の絶対神を前提とするユダヤ=キリスト教的風土から輸入された思想が、それとは正反対のアニミズム・多神教的な思想的風土と強引に結びつけられた。西欧近代の普遍的価値の表層部分が幼児的な自己満足と結びついた結果、「ニッポン・イデオロギー」とも言うべき奇妙な思想的形態が生まれたことを論じる。
 この二つの視点に即して、60年安保闘争から高度成長、バブル崩壊、そして福島原発事故にいたる戦後史を捉えなおし、8・15を真に反省できなかった日本人が、「平和と繁栄」の戦後社会に災厄の種をまいたことを明らかにする。3・11から時が経ち犠牲者の記憶が薄れるなか、この国はまたしても8・15以降と同じ道を辿ろうとしている。ニッポン・イデオロギーが支配するこの国の宿命的な病理を暴き、克服すべき真の課題とは何かを明快に考察するスリリングな論考。
(NHK出版・大場 旦)

目次

 序章 ゴジラという想像力
第 I 部 8・15と世界戦争 
 第一章 戦艦大和で何が起きたのか? ――海軍首脳とニッポン・イデオロギー 
 第二章 二〇世紀戦争とは何だったのか? ――歴史意識なきニッポン・イデオロギー 
 第三章 もうひとつの戦後思想史 ――ニッポン・イデオロギー批判の軌跡
第 II 部 3・11と世界内戦 
 第四章 潜在的核保有国ニッポン ――災厄の種はどこで蒔かれたか? 
 第五章 原子力ムラの最深層 ――ニッポン・イデオロギーはいかに生まれたか?     
 終章 原発批判の思想的根拠

商品情報

発売日
2012年09月11日
価格
定価:858円(本体780円)
判型
新書判
ページ数
248ページ
商品コード
0088388
Cコード
C0221(日本歴史)
ISBN
978-4-14-088388-4