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数学的推論が世界を変える

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NHK出版新書 394

数学的推論が世界を変える 金融・ゲーム・コンピューター

[著] 小島寛之

発売日 2012年12月08日

新書

品切れ

定価 858円(本体780円)

送料 110円

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商品紹介

ITビジネスから金融市場まで、人はいかにハラを探り合うのか?

「数学的推論」とは何か。それは経験則でも山勘でもなく、数理論理学やゲーム理論をベースに「相手のハラを探る技術」。人間のみならずコンピューター同士の推論合戦が本格化しつつある現在、それは巨額の利益と結びつく一方で、大きなリスクをも引き起こす。人間の行動から経済情勢まで、今世紀をエキサイティングに変える数学的推論。フォン・ノイマンやゲーデルなどの成果を踏まえ、その可能性と限界に迫る。

 数学と推論がどう結びつくのか。また、それがどう世界を変えるのか。おそらくタイトルを見て、最初に気になるところではないかと思います。でも、これは決して大げさに言っているわけではありません。
 例えば、株価はなぜファンダメンタル(基礎価格)を外れて跳ね上がるのでしょうか。それはファンダメンタルより高く買う人が、「それより高く買う人がいる」と他人の考えを読んだ上で行動するからです。その連鎖が続く限り、価格はいつまでも上昇することになります。経済社会のゆがみは、このような「ハラの探りあい」の複雑化から起こると著者は指摘します。
 「ハラの探りあい」を専門的に言い換えたのが、メインタイトルにもある「数学的推論」です。数学、というと「日常生活に関係がない」とか「難しいのではないか」と身構える方も多いかもしれません。しかし、答えはどちらも半分イエスで半分ノーです。確かに普段私たちは数学や論理学といったことを意識しながら生活してはいません。とはいえ、対人関係から経済社会の問題まで、そのウラに無数の思惑がうごめいていることはいうまでもないことでしょう。とりわけそれが顕著に表れるのは金融、ゲーム、コンピューターといった分野です。現代において、これらから完全に無関係な人など果たしているでしょうか。
 本書のハイライトは、人間のみならず、コンピューター同士の取引までもが本格化しつつある今の金融をめぐる状況です。そこでは複雑すぎて人間には理解し難い「ハラの探りあい」が日々行われています。しかし、その基本的な仕組み自体は、私たちが高校数学で習ったような記号による明快なロジックの積み重ねでしかありません。そのことがいったい何を意味するのか。読み進むにつれて徐々に明らかになっていきます。
 本書では、ゲーデルの定理やゲーム理論などの本格的な数理論理の解説があるので、多少頭に汗をかくようなところはありますが、それだけ、読後に開ける視界は明るいということを保証します。
(NHK出版 山北健司)

目次

第一章 数学でマネーを稼ぐ人たち――ギャンブルからアルゴトレーディングまで
第二章 数学的推論とは何か――トレーディングを支える原理
第三章 コンピューターにできること・できないこと
第四章 「正しい」とはどういうことか――「可能世界」から考える
第五章 「知っていること」を知っている――ゲーム理論の推論
第六章 なぜリスクを根絶できないのか――「不完全性定理」から考える
第七章 金融バトルを解きあかす――「新しい推論」は何をもたらすか

商品情報

発売日
2012年12月08日
価格
定価:858円(本体780円)
判型
新書判
ページ数
248ページ
商品コード
0088394
Cコード
C0236(社会)
ISBN
978-4-14-088394-5