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終末の思想

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NHK出版新書 398

終末の思想

[著] 野坂昭如

発売日 2013年03月09日

新書

在庫あり

定価 770円(本体700円)

送料 110円

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商品紹介

自ら滅び行く日本民族へ―― 最後の文士・野坂昭如の遺言

経済が上向けば、万事好調を装う日本社会。しかし、その先には幾重にも闇が広がっている。食と農を疎かにし、物を崇め、原子力エネルギーに突っ走り……負の部分を見ずに、すべてツケを先送りしてきた、その当然の報いが待ち受けている。ならば、いかに滅ぶべきか、死ぬべきか――敗戦の焼け野原から、戦後日本を見続けてきた作家が、自らの世代の責任を込めて、この国が自滅の道を行き尽くすしかないことを説く。著者渾身の一冊。

 “最後の文士”あるいは“元祖プレイボーイ”とも呼ばれる野坂昭如氏ですが、もう一つ歌手としての“クロード野坂”という別名があります。近年ではクレイジーケンバンド(CKB)との共演が知られています。
 「この世は もうじきお終いだ/あの町この町 鐘が鳴る」(『マリリン・モンロー・ノー・リターン』)
 「どんな人間にも かならず終わりは来る/どんな世の中にも かならず終わりは来る」(『終末のタンゴ』)
 こうした歌手・野坂氏の雄叫びの延長線に、本書『終末の思想』が生まれました。
 しかし、考えてみれば、小説家としてのデビュー作「エロ事師たち」から、「アメリカひじき」「火垂るの墓」、そして代表作と言われる『骨餓身峠死人葛』『てろてろ』『戦争童話集』などに至るまで、あるいは原発問題、食糧・農業問題をめぐる予言的・先駆的な様々なエッセイ・ルポタージュを含め、作家・野坂氏が書き続けてきたことのすべては「終末の思想」ではなかったのかと。
 ある文学者は野坂氏のことを「天国の中に地獄を見、地獄の中に天国を見ることができる稀有な存在」というように評しました。敗戦による焼け野原という原風景を保ち、戦後日本の繁栄の“虚妄”に“滅亡の予兆”を見続けることができた稀有な作家の、2013年という現時点における、その一貫した思想の集約が本書ではないかと思います。
 野坂氏は、2003年に脳梗塞で倒れられて以来、ご自宅でリハビリ生活を送られています。しかし、世の中を見る視線の強さにはまったく衰えはありません。
 なるべく多くの読者の方々に、変わることのない“野坂節”を堪能していただき、来るべき“終末”に備えてもらえればと願っています。
(NHK出版 高井健太郎)

目次

第一章 この世はもうすぐお終いだ
第二章 食とともに人間は滅びる
第三章 これから起きるのは、農の復讐である
第四章 すべての物に別れを告げよ
第五章 また原発事故は起こる
第六章 滅びの予兆はあった
第七章 上手に死ぬことを考える
第八章 安楽死は最高の老人福祉である
第九章 日本にお悔やみを申し上げる

商品情報

発売日
2013年03月09日
価格
定価:770円(本体700円)
判型
新書判
ページ数
192ページ
商品コード
0088398
Cコード
C0295(日本文学評論 随筆 その他)
ISBN
978-4-14-088398-3