もう「関係ない」では済まされない!
いまさら聞けない相続入門
平成25年度の税制改正で、相続の仕組みが大きく変わる。それでも、あなたはまだ“関係ない”と言えますか?本書は、来たる大相続時代において、押さえておきたい相続リテラシーを養う一冊です。相続の仕組みをゼロから解説し、モメごとを回避する知恵や賢い相続対策のいろはを伝授。玉石混淆の情報のなかから、相続のプロフェッショナルが、本当に必要な知識だけをまとめました。
“大相続時代”とは、いささか大袈裟な表現でしょうか? 本書では、おおまかに2つの理由からそのような呼称を使っています。
第一の理由は、およそ20年後、日本は3人に1人が65歳以上という「超高齢化社会」を迎えることです。それは、財産規模の大小に関係なく、日本全国いたるところで相続が発生しうる時代です。次世代が財産を円滑に引き継ぐためにも、社会全体に相続リテラシーが必要となるでしょう。
第二の理由は、平成25年度の税制改正によって、基礎控除の大幅な引き下げが決まったことです。これまで相続税を支払っていたのは、一部の富裕層だけでした。課税の対象となるのは、財産総額が基礎控除額を超えてしまう人だけだからです。ところが、その基礎控除額の計算式が次のように変更されました(2015年1月1日以降)。
改正前:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
改正後:3,000万円+ 600万円×法定相続人の数
たとえば、妻と子ども2人という家庭で夫が亡くなった場合。これまで課税対象とされたのは、夫が8,000万円以上の資産を有していた場合のみでしたが、そのボーダーが4,800万円にまで引き下げられる。となれば、株券や賃貸経営がなくても、預貯金+マイホーム(土地・建物)だけでアウトなんてことも考えられます。事実、この変更によって、課税対象者は全国平均でほぼ2倍に、東京都内では4人に1人が該当するとの試算もなされています。すなわち、実質的な増税策による課税対象者の拡大。これが第二の理由です。
ただし、だからといって慌てる必要はありません。防災と同じで、相続も備えあれば憂いなしです。
本書は、これから迎える“大相続時代”を生きていくために、本当に必要な情報だけをコンパクトにまとめた一冊です。著者の田中先生は、資産税務を専門とする相続のプロフェッショナル。相続の基本的な仕組み、家族間でモメないための知恵、手軽にできる財産の健康診断、賢い相続税対策……すべてをゼロからわかりやすく解説してもらいました。
今まで相続なんて他人事だと思っていた方、すこし頭をよぎるようになった方には恰好の一冊だと思います。ぜひ羅針盤としてお役立てください。
(NHK出版 粕谷昭大)
第一章 知らないと損をする相続の常識
第二章 なぜ相続はモメてしまうのか
第三章 財産の健康診断をしよう
第四章 遺言書のすすめ
第五章 賢い相続のテクニック
終 章 六〇歳ではじめる相続対策
1973年、京都府生まれ。税理士、公認会計士。青山学院大学経営学部卒業。太田昭和監査法人(現・新日本有限責任監査法人)を経て、税理士法人タクトコンサルティングに入社。現在、同社代表社員。日本公認会計士協会事業承継専門部会構成員。著書に『Q&Aグループ法人税制の全容と賢い活用法』(共著、ぎょうせい)など。
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発売日
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2013年11月09日
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価格
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定価:814円(本体740円)
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判型
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新書判
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ページ数
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208ページ
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商品コード
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0088419
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Cコード
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C0232(法律)
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ISBN
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978-4-14-088419-5