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リサ・ランドール (Lisa Randall)
1963年生まれ。ハーバード大学卒業。専門は素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学を経て、ハーバード大学物理学教室で教授に着任、現在に至る。1999年、目には見えない5次元世界の存在によって理論物理学の難問を解決する方法を論文に発表して一躍注目を集めた。その研究内容は科学者だけではなく多くの人びとを魅了し、著書『ワープする宇宙〜5次元時空の謎を解く(原題:“Warped Passages: Unraveling the Mysteries of the Universe’s Hidden Dimensions”)』は全米ベストセラーとなる。今、世界で最も注目されている科学者である。
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若田 光一 (わかた・こういち)
1963年生まれ。九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻博士課程修了。1992年、ISS(国際宇宙ステーション)の「きぼう」日本実験棟の組み立て・運用に備え、NASDA(現JAXA:宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士候補に選ばれる。翌年、NASA(アメリカ航空宇宙局)からMS(ミッション・スペシャリスト。搭乗運用技術者)に認定される。1996年、日本人初のMSとしてスペースシャトルに搭乗、ロボットアームの操作などを担当。2000年にもMSとして搭乗し、ISSの組み立て作業に携わった。その後、日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、ロシアでのISSシステム訓練、冬山や海底での極限環境訓練を重ね、高い技術力とリーダーシップが評価され、日本人初のISS長期滞在クルーに任命された。2008年秋に3か月の宇宙滞在が予定されている。
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若田 わたしたちは、膜のようなものにぴったりと貼りついている、という話をもう少し詳しく聞かせていただけますか。
ランドール わたしたちの研究グループでは、5次元や6次元などの高次元世界には、「ブレーン」と呼ばれる膜のようなものが存在すると考えています。わたしたちの頭のなかにある「ブレーン(脳)」ではなく、「メンブレーン(膜)」を短くしたものです。そしてわたしたちの暮らす3次元世界は、この薄い膜のようなものであるということがわかりはじめてきたのです。
若田 わたしたちの住む3次元世界が膜のようなものだとすると、わたしたちや、わたしたちを構成する原子などの物質はどこにあるのですか。
ランドール わたしたちは、その膜に貼りついた原子などの物質によってつくられていると考えられます。もう少しわかりやすく言うと、高次元世界における膜は、バスルームにおけるシャワーカーテンのようなもので、わたしたちや原子などの物質はそのシャワーカーテンに貼りつけられている水滴だと考えることができます。
若田 シャワーカーテンがわたしたちの住む3次元世界だとすると、バスルーム全体が高次元世界だということですね。そして、わたしたちはシャワーカーテン上の水滴だと。
ランドール そうです。水滴がシャワーカーテンに貼りついて下に落ちていくのと同じように、わたしたちも3次元世界のなかを移動することはできます。けれども、その水滴がシャワーカーテンからバスルームに飛び出すことができないように、わたしたちも5次元や6次元などの高次元世界に飛び出すことはできないのです。
若田 その膜はスライスしたパンでもイメージできるとか。
ランドール そうですね。パンの塊をスライス状に切ってみると、スライスになったもののうちの一枚が3次元の膜、つまりわたしたちの暮らす3次元世界と見なすことができます。そして、わたしたちの存在する膜以外にも膜は存在するかもしれません。つまり、ほかの一枚一枚がまた別の3次元世界であり、そのパンを取り巻く空間が高次元世界です。さらにわたしたちのパンの隣りのパン、つまり別の3次元世界には何か別の生き物が棲んでいるかもしれない……というふうに想像は広がっていくのです。 |
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