隣家に住む、幼なじみの梅子と信郎。兄、妹のようだったお互いが、いつしか、かけがえのない存在に。そして、結婚──。堀北真希さんと松坂桃李さんに、ふたりの関係のこれまでと、今後について、語っていただきました。
松坂 ただの幼なじみだった梅子と信郎が、結婚することになるとは……。ドラマの当初は、そういうことをあまり知らされていなかったよね。
堀北 うん。私の周りには、「きっと梅子は、お父さんの建造(高橋克実さん)が命を救った、戦災孤児のヒロシ君と結ばれるんだよ」って予想する人もいた(笑)。
松坂 あ、それは俺もちょっと思った。時を経て劇的な再会をして、年の差を乗り越えて結婚……とか(笑)。
堀北 中盤まで演じてきた流れでは、松岡さん(高橋光臣さん)と結婚するのかなという感じだったけど……。
松坂 信郎には、咲江(佐津川愛美さん)という恋人もいたしね。
堀北 そういえば、咲江ちゃんとは、どういうきっかけでつきあうことになったの?
松坂 ドラマでは描かれなかったから、俺もそれを知りたくて監督に聞いたら、「きっと告白したのは信郎からじゃなくて、咲江ちゃんからだな」だって。最後は信郎があっさりフラれたけど(笑)。
堀北 いずれにしても、梅子とノブ(信郎)の間には恋愛の気配がなかったから、ノブへの感情の変化を演じていくのは、ちょっと難しかった。松岡さんとつきあっているときと、ノブとの結婚話が持ち上がっているときのシーンを並行して撮影していたこともあったし……。
松坂 まったく別のシチュエーションを、顔色ひとつ変えず両立させているのを見て、スゴいと思ってたんだ。俺なんて、セリフと収録量の多さだけでも精いっぱいなのに。第一、梅子のセリフの量は信郎どころじゃないからね。
堀北 桃李君にそう言われて、「どれどれ、ノブのセリフは……、私の半分じゃない!」なんて、話したね(笑)。
松坂 うん。でも、いろいろ大変なはずなのに、それを周囲に感じさせないんだよね。同い年として、尊敬する。
堀北 いやいや(笑)、どうやって「LOVE」の感情に持っていけばいいんだろうって、やっぱり難しかったよ。
松坂 そっか。逆に信郎としては、梅子にドキッとするような場面がしばしばあったから、やっと自分の気持ちに素直になれたという感じなんだ。
堀北 「結婚しようか」と梅子に言うあのシーン?
松坂 そうそう。
堀北 あそこは、何げない会話からそういう雰囲気になるので、ふたりの間の空気感がすごく大事だと思ってた。
松坂 いかにも梅子と信郎っぽいくっつき方だったよね。大げさじゃなく、ごく自然というか……。
堀北 でも、ノブがいつになくリードしてなかった?
松坂 ああ(笑)。監督に言われたんだ。「信郎はわりと梅子に振り回されてきたけど、結婚話のときは、攻めていく感じで、オトコ度を上げてよろしく」と。
松坂 信郎にとって梅子は空気みたいな存在であると同時に、いつでも本音を話せた。そのことを意識し始めて、結婚を考えたんだろうな。
堀北 梅子のほうは、正直、「タイミング」もあったのかなと。坂田先生(世良公則さん)が亡くなって、松岡さんとも別れて心細いときに、ノブがそばにいてくれたという……。
松坂 ほんと、正直(笑)。
堀北 うん(笑)。ただ、タイミングだったにしても、ノブがずっと支えてくれていたことに気づけてよかったなと。
松坂 梅子が信郎に支えてもらっていたんだとしたら、信郎は梅子にずっと刺激を受け続けていたと思う。小さい頃はドジばっかりやっていた女の子が、開業医として独り立ちして、町の人たちに頼りにされる存在になったことに。
堀北 ノブは、何かと悩みを抱えてるけど、梅子は突っ込んで尋ねたりしないから、今みたいな話を聞くと、「へぇ、そうなんだ」って思う。ノブが何を悩んでいたのか、よくわかってないんだね、梅子は。つまり私は(笑)。
松坂 他の人とのシーンも多いから、信郎のことまで頭が回らなかったんじゃない?
堀北 そうなのかな(笑)。
松坂 信郎は、悩みながら少しずつ成長してると思う。いちばんは、仕事に対する責任感。親父の幸吉(片岡鶴太郎さん)への態度も、代の頃はただ反発したいだけ、みたいなところがあったけど、だんだんと職人として、経営者として、同じ仕事の同志として、話ができるようになっている。
堀北 梅子が開業するとき、経営の相談にも乗ってくれたもんね。
松坂 うん(笑)。