TOPICS トークイベント「あまちゃんを語る会」 プチ鹿島(時事芸人)×加藤千恵(歌人・小説家)×謎の、中学生まるやま

写真 
last updated Nov.1,2013.

「じぇじぇじぇ〜 さよなら、あまちゃん。ありがとう、あまちゃん」

2013年夏、下北沢の本屋「B&B」にて、『NHK連続テレビ小説 あまちゃん 能年玲奈 featuring天野アキ 完全保存版』の発売を記念し、TBSラジオ「東京ポッド許可局」パーソナリティーで“あまちゃん論”を広く展開している時事芸人のプチ鹿島さん、歌人で小説家の加藤千恵さんによるトークイベント「あまちゃんを語る会」が開催された。この大反響を受け、「あまちゃん」が最終回を迎えて間もない10月3日、プチ鹿島さん、加藤千恵さん、さらに、謎のあまちゃんフリーク“謎の、中学生まるやま”を加え、「じぇじぇじぇ〜 さよなら、あまちゃん。ありがとう、あまちゃん。『あまちゃんを語る会』リターンズ」が開催された。今回、大盛況だった10月3日のトークイベントの一部をご紹介します。

ダイジェスト放送でしか見られないシーンがあった!

写真1 鹿島 まず、ここにいる皆さんが気になっているであろう、“謎の、中学生まるやま”を紹介しますね。
加藤 事前の告知では、“謎の、中学生まるやま”としか情報が出ていなかったので、宮藤官九郎さん監督・脚本の映画「中学生円山」の出演者か制作関係者じゃないかと思われた方もいたんじゃないでしょうか。
観客 (笑)
加藤 でも、先に明かしちゃいますが、会場の皆さんは誰も知らないと思います!
鹿島 そのとおりです。「あまちゃん」に詳しいただのオジサンです!
まるやま (陰から遠慮がちに登場)こんばんはー!
鹿島 前回の「あまちゃんを語る会」では観客席にいた方です(笑)。その後の打ち上げの席にもなぜかいて、誰よりも熱く「あまちゃん」を語っておられたので、第2弾が実現したらぜひトークに加わってくださいとお願いしていたんです。で、まるやまさんは、本当はすごく偉い人なんでしょ?
まるやま あるメディアグループの役員をやっています。
加藤 このあいだの打ち上げの席で、まるやまさんが「あまちゃん」を1日6回見ていると聞いてびっくりしました(笑)。
まるやま BSプレミアム7時半からの「早あま」、NHK総合8時からの「本あま」、同12時45分からの「昼あま」、BSプレミアム23時からの「遅あま」を全部見ていました。
鹿島 でも、全部見ても4回ですよね。あと2回は? ていうか、あなた、働いているんですか?
観客 (笑)
まるやま 「遅あま」のあと、その日の録画した「録あま」を2回見ていました。私はもともとドラマフリークなので、他局のドラマも録画してチェックいるんです。ただ、見られる時間は限られているので、だいだい倍速で見る。でも、「あまちゃん」だけは6回とも1倍速で見てました。
鹿島 6回それぞれの見方とか、あるんですか?
まるやま 1回目はストーリーを追う。2回目は自分が好きなキャラクターを見る。3回目は午後の仕事に向かう気持ちを盛り上げるためにワンセグで見る。4回目以降は登場人物それぞれの小ネタを拾ったり、小道具をチェックする。
鹿島 そこまで見なくてもいいんじゃないでしょうか(笑)。
まるやま あと、日曜日のダイジェスト放送「あまちゃん一週間」も必ず録画して、見ていましたよ!

果たして「あまちゃん2」やスピンオフはあるのか

写真2──突然、「B&B」のスタッフが、鹿島さん、加藤さん、まるやまさんにまめぶ汁を運んでくる。
鹿島 あっ! まめぶ汁じゃないですか! 僕、つい最近、「あまちゃん」のロケ地となった岩手県久慈市に行ってきたばかりなんですよ。まめぶ汁を食べるのを楽しみにしていたんですけど、売り切れでありつけなかったんです。このサプライズはうれしいなあ。
加藤 けんちん汁みたい。入っている団子は本当に甘いんですね。すごくおいしい!
鹿島 まめぶ汁は、ドラマの大きなテーマのひとつだと思うんです。田舎の人って、どうも地元に自信が持てなくて、自慢できない。でも、クサされるとカチンとくる。その象徴がまめぶ汁。これを東京からやって来たアキ(能年玲奈)が食べて「うめぇ!」と叫ぶ。アキの一言で田舎の人は救われたと思う。……と、“語りしろ”があるのが「あまちゃん」なんですよね。
加藤 ところで、「あまちゃん2」はあるんでしょうか?
まるやま あれだけの豪華出演陣を再結集するのはかなり難しいでしょうね。でもスピンオフなら可能性があるんじゃないでしょうか。
加藤 私は「あまちゃん」の大ファンですが、続編よりスピンオフのほうがいいかもと思っています。本編がよかっただけに……。
鹿島 たしかにたいていのドラマは、続編より1回目のほうが面白いものですよね。
まるやま ミズタク(松田龍平)編とか、ストーブさん(小池徹平)編とか、スピンオフでも十分楽しめるんじゃないでしょうか。
鹿島 ミズタクが素性を隠して勉さん(塩見三省)の弟子になって、リアスの常連客になって、美寿々さん(美保純)といい仲になって……というミズタク視点のドラマを改めてやるとか。
まるやま いいじゃないですか、それ!
鹿島 話は変わるけれど、震災後、ユイちゃん(橋本愛)が自分はもうアイドルとして人前に出たくないと言っていた時期がありましたよね。でも、GMTの連中が北三陸にやって来て、「喫茶リアス」で歌ったり踊ったりしているのを見て、「たいしたことない子ばっかり」と毒づいて、「潮騒のメモリーズ」をもう1回やると宣言する。あの腹黒いユイちゃんの復活はよかったなぁ。北三陸のためとかじゃなく、自分のほうがかわいいと自信があるからもういっぺん地元のアイドルになる、という描き方に嘘がないと思って感動した。いままでのアイドルは、「周りの人にかつがれてデビューしました」みたいなストーリーが多いじゃないですか。
加藤 そうですね。でも、ユイちゃんみたいなきれいな子が、自分でそれを気づいていなかったら嘘だと思う。十代の女の子なら、自分がどう見られているかすごく気にするはず。だから、ユイのあのめんどくささはよかった。毒を吐いても、その姿が視聴者にとってうれしい。それってすごいですよね。

 

1/3

NEXT
WEBマガジン TOPICS一覧へ
WEBマガジン トップへ