TOPICS Interview マリーア・ドゥエニャス 海外ドラマ「情熱のシーラ」 原作者

NHK出版 Webマガジン
写真 ———原作小説のタイトル『縫い目の間の時間』(El Tiempo Entre Costuras)にはどんな意味が込められていますか?

主人公はドレスメーカーで、その職業が物語の展開の鍵となっています。タイトルではそのことと、シーラが一見何の害もない、縫い物という労働に従事している間にすべてが起こったというアイディアを組み合わせました。


———あなたの小説がテレビドラマ化され、どのように感じていますか? ドラマは想像通りでしたか? またドラマの視聴者は、小説とは違った新たな発見があるとお考えでしょうか?

テレビの脚色には非常に満足しています。技術的にも芸術的にも大変な作業だったと思いますが、それでもなお、終始、原作の本質、その真髄を尊重していただきました。テレビシリーズの視聴者は、小説とはまた違った新しい何かを発見できると思いますが、その一方であらゆる筋立て、登場人物、シーンが、原作をほうふつとさせるだろうと確信しています。

写真 ———スペインでは原作小説もドラマも大ヒットしましたが、読者や視聴者を最も惹きつけたのは何だとお考えですか? 何が人々の心を掴んだのでしょうか?

ひとつはシーラの人物像です。その純真さ、傷つきやすさ、度胸、向上心、困難に直面したときの勇気……。もうひとつは歴史的経緯と地理的座標、モロッコのエキゾチシズム、戦争時の人間の葛藤などが挙げられます。


———日本では、ドラマガイド『スペインドラマ・ガイド 情熱のシーラ』に加えて原作小説の邦訳書『情熱のシーラ』(全3巻)も刊行されます。日本のドラマ視聴者と読者にメッセージをいただけますか?

私の想像の中から飛び出した感情と冒険を、日本の読者の皆様、視聴者の皆様に楽しんでいただけると知って、とてつもなく名誉に感じています。どうか、世界中の何百万ものファンの方々と同様に、本とドラマを楽しんでくださることを願っています。

写真 マリーア・ドゥエニャス
María Dueñas
1964年スペインのシウダ・レアル県プエルトリャノ生まれ。英語文献学博士。ムルシア大学教授。米国の大学で教鞭をとった経験を持ち、教育、文化、出版に関するさまざまなプロジェクトに参加。2009年に本作でデビュー。世界で400万部超の大ベストセラーとなり、多くの読者や評論家を魅了する。さらに、30か国以上に翻訳され、テレビドラマ化もされた。Misión OlvidoLa Templaza(いずれも未邦訳)も刊行され、ともに50万部超のベストセラーとなっている。

ドラマガイド スペインドラマ・ガイド 情熱のシーラ

NHK出版 編
本体1,000円+税
B5判並製・80ページ(オールカラー)
スペイン内戦と第二次世界大戦、そしてさまざまな愛に翻弄された、お針子・シーラの波乱の人生——華麗でミステリアスなスペインドラマの幕が開ける! ストーリー紹介、時代背景や舞台地(スペイン・モロッコ・ポルトガル)の解説など、ドラマ「情熱のシーラ」を楽しむための情報満載の一冊。
ドラマガイド スペインドラマ・ガイド 情熱のシーラ
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原作 情熱のシーラ 上

マリーア・ドゥエニャス 著
宮﨑真紀 監訳
大友香奈子 村田悦子 訳
本体1,500円+税
四六判並製・264ページ
1911年にマドリードで生まれたシーラは、天才的な裁縫の腕をもつお針子だ。スペイン内戦前夜、恋人とモロッコに移り住むが、彼の裏切りで何もかも失う。失意の底にあったシーラを救ったのは、1本の針と糸だった——。激動の時代、数奇な運命を生きたヒロインを圧倒的な筆力で描く。全世界で400万部超を売り上げた歴史大河ロマンの傑作! 全3巻で中巻は6月27日、下巻は7月28日に発売予定。
原作 情熱のシーラ 上
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